福岡市中央区で、弁護士向け自賠責異議申立の研修を受講

福岡市中央区で、弁護士向け自賠責異議申立の研修を受講

   福岡県弁護士会の交通事故委員会が主催する「自賠責保険における異議申立」というタイトルの研修を受講してきました。
   私自身もこれまで弁護士として幾つもの異議申立をやってきましたけれども、交通事故裁判例のように、異議申立の際に実際に提出された書類やその結果を記した認定表は公刊されていないので、他の弁護士の経験談を拝聴することは、交通事故を専門に取り扱っている弁護士にとっても、独り善がりな手法に陥らないために有用です。

   高次脳機能障害・非器質性精神障害を除いた後遺障害一般で説明しますと、平成24年の統計では、1万1642件の審査(異議申立)件数に対し、等級変更がなされず異議が斥けられた件数は1万0683件と92%弱にのぼり、後遺障害の異議申立のハードルが数字上極めて高いことがわかります。
   この数字から言えることは、後遺障害の等級認定を獲得しようと思う人は、成功率が決して高くない異議申立をしないで済むよう、後遺障害の獲得の妨げにならぬよう適正な治療を受けしっかり記録化してもらい、加えて、最初の申請時から、後遺障害診断書に必要十分な記載をしてもらい、後遺障害を裏づける画像所見や神経学的検査や可動域検査を済ませておくなど、早め早めに対策を講じておくことがやはり望ましいということです。
   そして、そのためには交通事故に強い弁護士に早め早めに依頼しておくことが望ましいことも、この統計値1つからも実証できます。

   次に、実例報告の中で一番驚いたのは、全く同じ画像を自賠責調査事務所に提出しながら、医師の画像からの情報読み取り能力の差で、等級認定が変更される実例も存在するということです。
   むろん、所詮弁護士は医学の素人と位置付けられているので、医師ご自身に意見書作成に協力してもらえることは必要不可欠ですが、臨床医や専門医との面談を惜しんでしまっては、その成功例を獲得することはできなかったはずで、改めて丹念な調査を惜しまないことこそが目覚ましい成果を生み出すことを痛感させられました。

   そのほか、交通事故被害者に全面的過失アリとして自賠責保険金が一切支払われない有無責や、被害者に重過失ありとして自賠責保険金が減額される重過失減額を争った経験談も紹介されました。
   この場面でも、刑事記録だけに即して議論せず、現場に出向いたり信号サイクルを取り寄せて現場の状況と照合するなど、交通事故現場を直接見聞して精査する態度が必要であることが強調されていました。
   交通事故の損害賠償を巡る場面でも「事件は現場で起きている」のです。この交通事故研修を受けて、さらに自分を研磨しなければと刺激されました。


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