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第1、因果関係・相関関係の定義
(1)因果関係(Causation)
因果関係とは、ある事象Aが発生したことによって、別の事象Bが生じたという「原因と結果」の関係を指します。
すなわち、AがなければBは起こらなかった(または、AがBを生じさせた)と認められる場合、両者の間に因果関係があるといいます。
現実、法律や医学の分野では「相当因果関係」という用語を利用し、Aが通常Bを生じさせるような原因にあたるかどうかが考慮されます。
(2)相関関係(Correlation)
相関関係とは、二つの事象の間に統計的な関連性が認められるけれども、一方が他方の原因であるとは限らない関係を指します。
例えば、Aが起こるとBも起こる傾向があるが、AがBを引き起こしたとはいいきれず、Bの発生には、A以外の偶然や第三の要因(C)が原因となっている可能性が多分に否定できないという場面にて、このときは両者の間には相関関係があるにとどまると扱われます。
第2、因果関係・相関関係の判定基準
(1)因果関係の判定基準
因果関係を認めるためには、以下の要素を総合的に判断します。
(2)相関関係の判定基準
相関関係は、主に統計的・観察的データから以下の点を基準に判断します。
第2、交通事故における、因果関係と相関関係の具体例
A:たとえばバイク乗車中に交差点で横から自動車に衝突され転倒し、運ばれた病院で左腕の骨折が確認されたとしましょう。
1.〇時間的前後関係→事故直後に画像が出現
2.○医学的整合性→衝突転倒時の衝撃で左腕に強い外力が加わり、
骨折するのは整形外科的に整合している
3〇他の原因の排除→事故前に骨折をもたらす衝撃は受けていず、
骨折をうかがわせる症状もなかった
4.○経験則・統計的蓋然性→同様の事例で通常そのような結果が
生じる蓋然性が高い
⇒よって、事故と受傷の間には因果関係があると判断できる。
B:たとえば交通事故で骨折して入院している間に運動不足とストレスで高血圧が悪化したという事例を設定しましょう。
1.○時間的前後関係→事故直後に血圧が悪化
2.×医学的整合性→交通事故で骨折することが血圧の上昇をもたらす
病院になる可能性は低い
3.×他の原因の排除→ストレスと運動不足で高血圧が悪化することは
起きますが、入院患者全員がストレスをもよおし運動不足になり
高血圧になるとは限らず、事故前からの体質や内疾患が高血圧を
もたらした可能性を排除できない
4.××経験則・統計的蓋然性→同様に入院患者全般について血圧上昇が
生じる蓋然性は高いという統計が見出しがたい
⇒よって、事故と受傷の間には因果関係はありとまではいえず、せいぜい相関関係に留まる。
第3、因果関係があるのか、相関関係に留まるのかの具体的な判定方法
交通事故による受傷や発症といえるのか、その因果関係の有無は次の観点を組み合わせて判断されています。
単なる時間的近接や交通事故前には症状を自覚したことがなかったというだけでは相関関係を超えて因果関係を立証したことにはならず、客観的資料と専門的知見がそこには求められるのです。
●医学的証拠:診断書、画像検査、臨床経過などから、病態の機序を裏づける。
事故と発症との間に時間的ずれがあると、その症状は事故が原因とは医学的に説明しがたいと判断されやすいですし、事故以外の生活習慣・加齢・ストレスなどの環境因子が病気の発症をもたらすこともありえます。そういうときは、事故と症状発生との間に、統計的に相関はあるものの法的な相当因果関係があるとはいえないという判断がくだされます。