怪我はなくても物損で慰謝料を請求できる場面その2は?

怪我はなくても物損で慰謝料を請求できる場面その2は?

Question

加害者が停めていた私のクルマに衝突したものの、そのまま現場から当て逃げしてしまいました。ドライブレコーダーの画像にナンバープレートが映っていたので、それを警察に提出して、ようやく加害者特定にこぎつけました。
後で、加害者は飲酒運転の発覚をおそれて当て逃げしたことが分かりました。慰謝料はここまで手間をかけさせられても、怪我がないからと請求できないのでしょうか?

Answer

物の損壊しか被害がなく、怪我を伴わない場合には、特別の事情がない限り、被害者は加害者に慰謝料を請求できないとされていることは、車にキズをつけられたら、慰謝料も請求できる?のとおりです。
しかしながら、特別の事情アリとして、例外的に、お尋ねのようなケースで、怪我は無くても慰謝料10万円の支払を加害者に命じた裁判例があります(京都地裁平成15年2月28日自保ジ1499号2頁)。
この案件はドライブレコーダーを使ってではなく、被害者が現場付近を探索し、数百m離れた駐車場で加害車両を発見したというケースでした。

    また、2台の加害自動車が深夜に、交差点で衝突しそのまま被害者の住んでいる自宅兼店舗の1階に飛び込んだというケースで、住居の平穏を害され、かつ、被害者には全く落ち度がないのに加害者間の責任の押し付け合いで全く被害弁償がなされぬまま営業継続の金策に苦慮したことを踏まえ、怪我は無くても慰謝料8万円の支払を加害者に命じた判決もあります(東京地裁昭和48年3月13日交民集6巻2号446頁)。

    上記2つを取りまとめると、(その1)(その3)のほかにも、加害者の態度の悪質性が通常想定される水準を超えており、そのため被害者が受けた心痛も通常よりはなはだしく、財産損害の賠償のみではその心痛を補填されない水準に達していると評価できる特別の事情があれば、例外的に物損のみであっても慰謝料支払を請求することが可能と考えてよいのではないでしょうか。

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