物損
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物損
霊園内で墓石に加害車両がぶつかって、墓石が倒れて骨壺が露出する交通事故がありました。お金をかければ墓石を戻すことも骨壺をお墓の中に入れることも困難な作業ではないですが、故人が踏みにじられたようでひどいショックを受けました。こんな場面でも、慰謝料は怪我がないからと請求できないのでしょうか?
物の損壊しか被害がなく怪我を伴わない場合には、特別の事情がない限り、被害者は加害者に慰謝料を請求できないとされていることは、「車のキズで慰謝料も請求できる?」のとおりです。
しかしながら、特別の事情アリとして、例外的に、お尋ねのようなケースで、怪我は無くても慰謝料10万円の支払を加害者に命じた裁判例があります(大阪地裁平成12年10月12日自保ジ1406号4頁)。その理由として、墓地などは先祖や故人の眠る場所として通常、その所有者にとって強い敬愛・追慕の念の対象となる特殊性があるからと説示されています。
そのほか、(その1)(その2)のほかにも、次のようなケースでも物損のみで慰謝料の支払を認めています。 とりまとめると、
被害者がその物に対して持つ愛着が特に強いことが一般的に想定される物が壊され、そのため被害者が受けた心痛も通常よりはなはだしく、財産損害の賠償のみではその心痛を補填されない水準に達していると評価できる特別の事情があれば、例外的に物損のみであっても慰謝料支払を請求することが可能と考えてよいのではないでしょうか。
・交通事故の際に車両に積んでいた美術刀剣2振に刃こぼれが生じた場面で、刃こぼれはいずれも砥ぎ物によって容易に解消でき、その後、2振のうち1振は購入価格以上の金額で転売できていることを踏まえ、20万円の慰謝料(釧路地裁帯広支部昭和58年5月19日交民集16巻3号647頁)。
*私見では、慰謝料よりむしろ美術工芸品であるという特殊性から、残った1振りについての評価損と同じ考え方をとったほうが、無難な説明だったように思われます。
・被害者は中古市場において同種同等の車両を再調達することが困難な、個性のある被害自転車をコミュニケーションツールとして利用することで営業を円滑に進めていた特殊な事情があり、このような機能は個性のない一般の自転車では代用できないとして、被害自転車の全損に伴う財産上の損害が正当に評価され填補されたとしても、その被害は事故前の原状に復するとはいえないとして、10万円の慰謝料(東京地判2024/3/28交民集57巻2号555頁)。
・著名な陶芸家である被害者の自宅に加害車両が衝突し、そこに保管していた被害者製作の陶芸作品1つが壊された場面で、財産的価値を具体的に定めることは困難として、その陶芸作品は被害者がまだ若いころに1年をかけて製作された思い入れの深い作品で、もはや復元できず代替性もないことを踏まえ、100万円の慰謝料(東京地裁平成15年7月28日交民集36巻4号969頁)
*私見では、民事訴訟法248条を使って、相当な財産的価値を定めることの方が適切だったようにも思えますが、その価値を定める方法すら確立できない特殊な案件だったのかもしれません。
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