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信号機のない交差点で、横断歩道を歩行していた夫が、前方不注視のクルマにひかれる交通事故にあい亡くなりました。夫には何の非もありません。
損害賠償交渉の途中で、加害者は罰金で済んだという話が入りました。
「人を殺したのに罰金を支払って罪を償ったことになる」、そんなの余りに軽すぎませんか?
「保険会社からお金が払われても加害者の懐はいたんでいず、普通に暮らしていることに納得がいかない。人の命を奪った加害者は当然刑務所に送ってほしいのに。。。なぜ罰金どまりなのか??」、
こういうお嘆きをご遺族からよく耳にします。
目次
まず、交通事故で人身被害が生じたときの刑事事件の基本的な流れを説明します。
Qの場面というのは、3のところで『検察庁が公判請求も不起訴も選択せず、略式起訴を選択した』ことを意味します。
日本の刑事法制では、起訴権限を検察官だけに独占させ(刑訴法247条)、かつ、犯罪の軽重や情状を考慮して、公判請求するか、略式起訴するか、不起訴にするかを選択できる広い裁量権を検察官に与えています(刑訴法248条)。
そして、日本の刑事政策の中で、交通事故犯罪については、時代につれて寛刑化(≒罰を軽くする)の傾向がうかがわれ、それは統計数字からもハッキリ読み取れます。
例えば、平成7年の犯罪白書に、『業務上過失致死傷罪での検挙人数約67万7000人のうち、公判請求4794人(そのうち実刑752人・執行猶予3830人・罰金115人・無罪5人)・略式命令9万0228人・不起訴53万6831人』という数値が掲載されています。
業務上過失致死傷罪による検挙人数を1万人に変換しますと、不起訴8420人・略式命令1496人・実刑13人・執行猶予70人という割合になります。
交通事故で正式な裁判が開かれる割合がものすごく少ないと思われたのではないでしょうか。
犯罪白書には刑事政策の方向として寛刑化の傾向を支持する4つの理由があげられています。
むろん上記Ⅰ~Ⅳの理由に対しては、実際に交通事故で家族を失った遺族からの反論も寄稿されています。
ただ、先ほど挙げた数値から読み取れるとおり、驚かれるでしょうが死亡事故であっても罰金にもならず不起訴で終わる事件も少なくないのが現状なのです。
次に3で検察官が選択した手続を、被害者や遺族からの申し出により変更させることは可能なのかについて説明します。
例えば、①「罰金刑では不満だから正式起訴してほしい」と、変更させる法律上の権利は被害者には与えられていません。ですから、Qのケースでは被害者はどうにもしようがありません。
これに対し②「検察官の不起訴は不満だから、起訴にかえてほしい」と被害者が変更を申し出る権利や手続は用意されています(検察審査会制度)。
その検察審査会では、各地の民間人が会議して、検察官の不起訴に対し「起訴相当」「不起訴相当」「不起訴不当=検察官による追加捜査をうながす」を決議するのですが、司法統計では「起訴相当=1・5%」「不起訴不当=9・6%」と不起訴を覆すべきとする議決が検察審査会で出される確率も正直高くないのが実情です。
従って、交通事故被害者が弁護士に依頼するときは、加害者を刑事罰で厳しく処罰させてほしい」という感情をお持ちでしょうが、弁護士への依頼内容をそれと切り離して、もっぱら「被害者のために支払われるべき賠償金をより多く獲得すること」にお気持ちを整理してご依頼いただくことが望ましいです。
そここそ、弁護士が交通事故被害者のためにもっとも力を注げる場面だからです。
大切な方が交通事故で亡くなられた際、支払われるべき賠償金をより多く獲得したいとお考えのご遺族は、ぜひとも豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。
私が交通事故に強い理由
高い専門性
特に、重度後遺障害の案件ほど、それらの専門知識の組み合わせにより、弁護士次第で獲得できる賠償金額が大きく変わってきます。
豊富な実績
交通事故案件について私と同じ年数を重ねて同じ分量を取り扱ってきた弁護士は、余り(特に九州山口のほうには)いないのではないでしょうか。
責任持って対応
菅藤法律事務所では、私自身が責任をもって全ての交通事故案件を対応させていただいております。
日々情報更新中
論文集の数行の記載から裁判例を探り出して、自己の主張の根拠づけに利用したことは何度あるかわかりません。