交通事故コラム

自転車乗車中の事故被害で慰謝料を受け取るポイント

  • 更新日:2026.9.14
  • 投稿日:2026.9.14

 自転車は、運転するのに免許が必要な自動車やバイクと異なり、自転車を漕ぐことさえできれば誰でも運転することができる上、自転車本体もロードバイク以外は自動車やバイクに比べ安く購入でき、ガソリン代や車検料といった車両の走行管理に必要な出費もないので、年齢問わずちょっとした移動に便利な乗り物として多くの方が利用されています。最近は趣味で自転車に乗られる方も増えているのか、ロードバイクに乗って長距離を走ったりスピードを出して走ったりされている人も多く見受けられるようになりました。

 しかし、自転車は、免許を取得したり講習を受けたりしなくても簡単な練習だけで乗れてしまうことから、交通ルールを詳しく知らない人やあまり守らない人でも容易に車道や歩道を走行できてしまう乗り物でもあります。福岡県警察のサイトによると、2025年の自転車関連事故は2689件発生しており、うち自転車と歩行者との事故は110件、自転車同士や自転車と自動車やバイクとの間で発生する車両相互の事故は2571件、車両単独事故が8件発生しています。

  2023年4月から、自転車運転時にはヘルメットの着用が努力義務化されておりますが着用率は低く、プロテクターなどもあまり普及はしておりません。特に安全対策などはせず自転車に乗られている方がほとんどと思います。

 自転車事故の被害に遭った場合、自動車に比べ生身のまま事故の衝撃を受けるため、自動車であればそれほど大きく感じない程度の衝撃であってもひどい怪我に繋がる恐れがあります。しかし、怪我の治療を続けていると、加害者や加害者が付けている損害保険会社は「自転車は自動車やバイクと比較すると重量も速度もないため衝撃もそれほど大きくなく、自転車事故の被害者の怪我の程度は軽いと思われるので、治療もすぐに終わるはずです」と主張し、治療費の支払を短期間で終わらせようとしてくることがよくあります。
 しっかりと治療費を支払ってもらうため、自転車事故直後からどういった痛みか、どこが痛いかといった主観的な言葉だけではなく、写真・レントゲン・MRIや検査など他覚的なデータも合わせて記録し、医師と相談しながら計画性をもって治療を続けていくことが重要です。
 しかし、自転車事故の直後に、治療計画と仕事や日常生活との兼ね合いをつけつつ、加害者や加害者が個人賠償責任保険に加入している場合の損害保険会社とのやりとりをするのは大変神経を使いますので、弁護士に相談して治療計画についての憂いを晴らしつつ、加害者側とのやりとりを弁護士に依頼して被害者は治療に専念するのが安心です。

 以前は傷害保険や自動車・火災保険の特約くらいしか自転車事故に対応する補償はありませんでしたが、近年、自転車事故で高額な費用負担が発生し大きな問題となったことから、自転車の損害賠償保険の種類も加入者も増えており、福岡市では令和2年10月から自転車の損害賠償保険の加入が義務化されております。
 とはいえ、自動車を保有する場合には自動車の弁護士費用特約の中で自転車を運転しているときの被害事故も対象とすることが多いので、自転車乗車中の事故に遭遇したときは必ず自分の加入する自動車につけた任意保険で弁護士費用特約を利用できないかしらべてみてください。弁護士費用特約があれば、手出しを気にせず気軽に弁護士に相談・依頼することができます。

  また、自転車事故では、治療費など発生した損害額がはっきり分かる損害だけでなく、慰謝料など損害として補償されるべきではあるもののはっきりとした損害額の根拠はない損害も生じます。慰謝料は、大きく入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2つに分けられます。

 入通院慰謝料は自転車事故の治療のため入院または通院した日数を基に金額が算定され、後遺障害慰謝料は事故による怪我を治療した後も治癒せず今後も残存すると認定された後遺障害の等級を基に金額が算定されます。しかし、慰謝料の基準はひとつに定まっていないため、基本的に加害者側が提示してくる慰謝料の金額は、加害者の損害保険会社が独自に定めた基準で算定されており、被害者に慰謝料を提示する際にも、「社内基準で算定した結果です」としか説明されないのが実情です。
 慰謝料の算定基準は、自賠責保険が定める最低限の自賠責基準、各損害保険会社が独自に定める任意保険基準、弁護士や裁判所が用いる基準と3つの基準が存在し、加害者側から提示されるのは基本的に任意保険基準で、任意保険基準で算定するより自賠責基準の方が高額の場合は自賠責基準が提示されます。弁護士を介さない交渉では裁判基準の慰謝料が認められることはほとんどありません。

 弁護士に依頼することで、適切な治療期間と後遺障害等級を基に、適切な額の入通院慰謝料や後遺障害慰謝料を受け取れるよう金額交渉を行うことが出来ます。

 菅藤法律事務所は、30年以上、2000件以上の交通事故の損害賠償交渉を解決してきました。自転車事故の慰謝料の方の相談も長年受けてきておりますので、ご相談希望される方はお気軽に経験豊富な弁護士へ連絡ください。菅藤法律事務所は福岡市の中心部の大濠公園そばにあり、地下鉄空港線の大濠公園駅(福岡市美術館口)からも近く、公共交通機関のアクセスも充実しています。法律事務所1階には無料で停めていただけるお客様用駐車場を完備しておりますので、自動車で来られる方も安心してご連絡下さい。

菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

ページトップ