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本件事故の態様は、交差点(歩道内)で前方の歩行者信号の赤色表示に従い、横断歩道手前で停止していた自転車(被害者女性運転)が前方の歩行者信号が青に変わったことから交差点内の横断歩道横の自転車横断帯を直進しはじめたところ、青信号に変わり合図なしで交差点に左折進行してきたトラックに側面衝突されたというものです。
自転車で交差点を直進している被害者の右の視界に加害車両であるトラックがはいってきたことから、被害者はとっさに自転車を停止させましたが、トラックが停まることなく左折進行しつづけたため、被害者はトラックに巻き込まれ、自転車は押し倒されトラックの左前輪に被害者の右足を踏まれつぶされる格好となりました。
その結果、被害者は右足関節脱臼粉砕骨折、右足関節内果粉砕骨折、右腓骨遠位端粉砕骨折、両足舟状骨骨折、右中足骨骨折、左大腿骨内顆骨折と多部位の骨折という重傷を怪我を負いました。
多部位にわたる骨折もあったことから、症状固定となるまでに入院と通院で約3年を要したのですが、本件では症状固定となる少し前の時期にインターネットで交通事故に強い弁護士を探されご相談いただきました。
症状固定後に本格的にはじまる加害者側との交渉を依頼したいということで、あいにく弁護士費用特約は加入されていなかったのですが、怪我の重大さと治療状況と残存する支障具合をヒアリングしたところ費用倒れのリスクはほぼないと判断できたのでその旨を説明したうえで契約を締結しました。
受任後約半年後に症状固定となったのですが、症状固定となるまでに時間がありましたので、症状固定後に被害者請求にて後遺症申請を行う際に病院に作成を依頼すべき書類を予め準備したり、単に病院で後遺障害診断書を作成してもらうだけでは被害者に残存している症状について正確に説明しきれていないこともありますので、被害者に残存している症状について詳細に説明を記載した自賠責に提出する自覚症状説明書を作成したりという時間に用いました。
弁護士菅藤のこれまでの実務経験に基づいた方法を活かした結果、画像所見ほか作成提出した資料により、右足関節脱臼骨折後の右足関節の機能障害について等級10級11号の後遺障害、右中足骨折後の右足指の機能障害については等級11級9号の後遺障害に該当するとし、併合して9級の後遺障害が残存しているとの認定を自賠責でうけることができました。
後遺障害認定を受けたことで請求すべき損害額が確定したことから、加害者の加入する相手損保にその額を請求し損害賠償交渉を開始できる状態になりました。損害額が確定した場合、一般的には相手損保に賠償請求を行い、両者の金額の折り合いなどがつかず示談できない場合に民事訴訟に移行することが多いのですが、本件では被害程度も大きく、事故から症状固定となるまでに3年を要しており示談交渉の過程でも症状固定時期から相手損保が争ってくる可能性から高い確率で予測されることを説明して、被害者と協議の結果、例外的ではありますが、相手損保との賠償交渉を省略して最初から民事訴訟という形式をとることとなりました。
民事訴訟では、想像とおり、症状固定時期、過失割合が主な争点となりました。
症状固定時期に関して相手損保は、医療記録の症状経過を踏まえて、後遺障害診断書に記された症状固定日の半年以上前に症状固定時期が到来していると主張してきました。そして、過失割合についても横断歩道上とはいえ被害者が純然たる歩行者でなく道交法上の軽車両にあたる自転車に乗車していたことから被害者にも他の車両との関係において安全配慮義務(道交法70条)違反を問える場面であり、相殺されるべき過失が10%あると主張してきました。
症状固定時期に関して、被害者側でもカルテの内容を事細かく検討して、経時的に担当医の症状固定日の判断が不確定な状態から確定判断に移行した時期が後遺障害診断書に記されているのであり、症状固定日は主治医の決定を尊重すべきと反論しました。また、過失割合についても、証拠として提出していた刑事記録から加害者が採用した基本割合図が前提としている速度条件などが本件には適しておらず、加害車両が左折の際に左折を予告する左ウインカーをだしたかどうか刑事記録上も不明であること、加害車両はトラックであり、一般車両に比べ自転車に乗っている被害者に甚大な被害をもたらす危険を包含しているのであり周辺に対し慎重に確認しながら運転操作することを期待される存在であることを主張し、これらの諸事情を勘案し被害者の過失はゼロと主張しました。
そのほか主婦としての休業損害を通院期間中どう判断すべきかとか、基礎収入を幾らと設定するかも争点となり、提訴から決着まで約1年ほど時間がかかりましたが、損害賠償請求額をほぼ認容した水準の金額での和解勧告が裁判官からなされ、相手損保もこれを承諾し、判決でなく和解という形で解決しました。