御依頼者の声


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住宅地において、信号のない横断歩道ないしそのごく近くを歩いて横断していたところ、前方不注視かつ直前一時停止違反の自動車に衝突され、お亡くなりになられた被害者のご遺族からご相談いただきました。
被害者は、衝突の衝撃で14mも跳ね飛ばされて路上に転倒し、病院に救急搬送されたものの多発外傷による出血性ショックで、事故発生から2時間も経たずして亡くなられました。悲惨な事故だったため、テレビなどでニュース報道されました。
事故現場には監視カメラも設置されておらず、目撃者もいなかったことから、衝突位置などもはっきりしない事故であること、加害者の対応にも警察の対応にも不満があることなども含め、今回の事故に関してどのように手続きを行っていくべきかご相談したいとお越しになりました。さいわいご遺族からご相談いただいた時期は、刑事裁判が行われる前だったことから、まず刑事事件を先行させ事実を確定し、刑事事件終了後に民事賠償に入る手順で進める方針を決定し、ご依頼いただきました。
本件事故で、刑事事件を先行させたかった理由は、加害車両の速度やどの位置で被害者の存在に気づいたか、そして、加害者はどこに視線を向けていたのか等の、具体的な過失内容を確定させてはじめて、民事賠償の際に加害者の責任をどのくらい厳しく追及できるかが左右されることが少なくないからです。
刑事公判では被告人となった加害者が横断歩道とその直近の横断歩行者等の有無に留意して、その安全を確認しつつ進行しなければならないにもかかわらず、事故当時は他に気を取られて漫然と直進をしてしまったため被害者に気づくのが決定的に遅れ、前方2・9メートルの地点でようやく被害者を認めたものの、急制動を講じる間もなく自動車を相当の勢いで衝突させてしまった過失と結果の重大性に鑑み、執行猶予付きの禁錮刑が言い渡されました。刑事裁判にも毎回菅藤が参加しました。
刑事判決が確定後、加害者の付保する損害保険会社と賠償交渉を開始しました。
当方は事故当日の治療費・入院雑費・葬儀関連費用・年金逸失利益・死亡慰謝料を賠償請求しました。加害者の付保する損害保険会社は逸失利益と死亡慰謝料の請求額からの減額を求め、さらに、本件事故では被害者の過失が20%あるとして請求額を大きく下回る回答をしてきました。加害者側からの回答は、被害者側の請求額と甚だ乖離する金額であったことから、ご遺族のご要望で、打開するための民事訴訟に移行しました。
民事裁判では、当方の主張する過失割合が妥当であることを立証する手段として、加害者の付保する損害保険会社への請求に先立ち、弁護士菅藤のほうで加害者が刑事処分に付されていたことから、取り寄せた確定刑事記録を利用しました。
民事裁判では裁判官から和解勧試され、結果としては、本件事故の衝突地点は、横断歩道から約3メートルの位置にあったと認定され、被害者にも横断歩道から少し離れた個所を横断するに当たっては、進行中の車両がないかを確認した上で横断を開始すべきであったなどの事情から過失相殺は避けられなかったのですが、被害者が高齢者であったこと、本件事故の発生時刻が日の入り後であったこと、被害者が横断していたのは加害者から見て横断歩道から少し先に進んだ箇所であり、自動車を運転していた加害者が前方の横断歩道及びその付近を注視していれば、横断中あるいは横断しようとしている被害者を発見することは容易であり、加害者の過失は非常に大きいことを合わせて考慮されたため、加害者の主張する数値から大幅に減じることができました。また逸失利益、死亡慰謝料についても、加害者の主張する金額よりも高い基礎収入と査定されました。
結論として、ご遺族も納得できる水準には到達し、民事賠償の一審判決を被害者も加害者も双方控訴なく確定という形で決着しました。