御依頼者の声

アンケート~福岡県嘉麻市30代男性の交通事故

  • 更新日:2016.5.25
  • 投稿日:2016.4.25

アンケート~福岡県嘉麻市30代男性の交通事故

  菅藤先生とのやり取りはとても分かりやすく良かったです。文書での時のようにメールの様に簡単な文書も添えていただけるとより分かりやすいと思います。
今回は本当にありがとうございました。

 

151031福岡県嘉麻市30代男性MY松岡    

インターネットで交通事故に強い弁護士を、と探してご依頼いただきました。幸い弁護士費用特約に加入されておられましたので、自己負担の心配はありませんでした。
ご依頼いただいた時点では頸部痛と腰部痛が持続し2年近く治療を続けた末に症状固定に達しておられ、後遺症診断書も既に15条請求の形で相手損保に提出されていました。
ところが、ご依頼者の左上肢にはCRPSの既往障害があったため、自賠責調査事務所の審査でも追加医証の徴求など非常に時間を要したのです。

左上肢のCRPSは中枢神経に関する障害と理解されており、他方、頸部痛と腰部痛は末梢神経に関する局所神経障害と位置付けられています。
この場合、自賠責の扱いでは、両者は同一系統の障害と区分されており、後者が前者よりも重い障害に該当しないということで、たとえ身体での部位が異なっていても、加重障害なし=非該当と認定されているのです

ご依頼者の場合にも、ペインクリニックでの医証などを追加したにもかかわらず、自賠責の従前からの扱いのまま、非該当認定がおりてしまいました。

この点、加重障害の有無を判断する同一の部位にあたるか否かは、神経の支配領域・運動機能・知能機能などを踏まえ、損害として一体に評価されるべき身体の類型的な部位に該当するか否かで判断すべきであるとして、例えば、両下肢麻痺の既往症を有する男性に新たに頸部痛の神経症状が残存した場合、両者は同一部位ではないとして、自賠責の加重障害無しの判断を覆し頸部痛について14級9号を認定したさいたま地裁2015/3/20自保ジ1946号43頁があります。

ご依頼者と上記さいたま地裁と同様に訴訟に持ち込むか協議したのですが、上記さいたま地裁判決自体が控訴されているためその扱いが確定していないことや、上記さいたま地裁事件でも一審に3年間かかっていることから終局解決までにはそれなりに長期間かかることが明らかに見込まれる状況にあることは冷静に伝えざるを得ませんでした。
結果、はなはだ納得できない扱いではあるけれども、解決の長期化は回避したいということで、相手損保と訴訟を用いないで解決する方針を選択されたのです。
さらに、ご依頼者が交通事故時点で就職されておられず職業訓練中であったことも、休業損害の発生を肯定できるか、できるとしてその始期はいつで終期はいつかという論点をはらんでいることから、交渉で解決するとしても、その部分を手際よく解決する必要があります。
その意識を強く持って相手損保と交渉し、無事ご納得いただける水準で解決することができました。
ご指摘いただいた点は今後の業務改善に謙虚に役立たせていただきます。

 

 


菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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