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健康保険の整形外科リハビリ150日ルールとは?

  • 更新日:2023.10.2
  • 投稿日:2022.10.9

Question 私は福岡県筑紫野市に住んでおり、4か月前にむち打ちの交通事故になりました。骨折など画像所見に映る怪我は幸いしなかったです。
ただ、私の運転するクルマが信号機のない交差点で飛び出した際に、優先道路を右側からやってきた相手のクルマと出会い頭衝突した際の事故で、私の過失がぐっと大きいため、当初から出費を抑えるべく健康保険を利用して治療していました。
ところで、治療開始して4か月になるのですが、主治医から「事故から150日間しかリハビリすることができません」と言われました。周りで交通事故にあった友人からは、リハビリで期間を区切られたことがあるなんて、これまで病院から言われた話なんて聞いたことないと言っていました。なんで主治医はどういうことを言ってくるのですか?

Answer 加害者が任意保険に加入していなかったり、自分の過失が大きいので相手損保が一括対応に応じてくれなかったなどの理由で、受傷当初から健康保険を使って治療する交通事故被害者もときにおられます。

整形外科リハビリ150日ルールについての概要

 例えばむち打ち症の場合には、骨折など画像所見に映る損傷がないため、交通事故から間を置かずに理学療法などのリハビリが始まることが珍しくありません。ところが、交通事故で怪我をして、健康保険でリハビリを受ける場面では、国のルールでリハビリを行うことができる期限すなわち標準的算定日数が設定されていますので、注意が必要です。

 なお、相手損保が一括対応に自由診療で応じる場合や労災保険の場合には、このような画一的なリハビリ期間制限はありません。ところが、そういう区別をせずに交通事故は全て150日でリハビリを打ち切る方針という医者もときにおります、それは150日ルールが健康保険の報酬算定に限定されていることを勘違いしていることになりますので、例えば自由診療を前提とした交通事故の治療には150日ルールは適用されないことを、丁寧に説明して病院に理解していただく必要があると思います。

話を健康保険を利用している場面に戻しますと、標準的算定日数は疾患により異なりますが、交通事故の被害者に多い骨折や腰痛など含む整形外科的な疾患の場合に行われる「運動器リハビリテーション」の標準的算定期限は発症から150日と定められています。そのため、主治医が「交通事故から150日の間しかリハビリはできない」と言ってきたのだろうと推察されます。

整形外科リハビリ150日ルールについての例外

 もっとも、この150日ルールについても例外が認められています。すなわち、
「治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断できる場合」
には、150日を超えても一定の限度でリハビリを継続することが認められています。

 ただし、例外的にリハビリの継続が認められる場合でも、診療報酬算定にあたり点数算定できるのは1か月13単位(1単位20分)に限定されています。つまり、150日を超えたときは1か月単位だと最大でも1日あたり20分×13日間しかリハビリ治療できませんので、150日たってもまだ症状が重篤に残っている場合には正直なところ不十分にも思えます。

 また、所定の点数算定も150日を超えた場合には150日以前よりも単価が低く設定されています。そのため、病院の方針として、150日超えてのリハビリ実行には積極的でない所も正直なところ見受けられます。

整形外科リハビリ150日ルール超えた場合の対処法

 一定期間治療を済ませた時期に転医するのは正直お勧めできないのですが、リハビリが必要かつ有効な状況なのに病院が積極的でないときは、転医も考えるほかありません。リハビリを150日で機械的に打ち切られてしまうことによる不利益との、転医のデメリットをてんびんにかけて、方向性を定めるほかありません。

整形外科リハビリ150日ルールでお困りのときは、菅藤法律事務所にご相談を

 率直な所、リハビリの150日ルールを病院に強調されると、その対応が一筋縄ではいかないところがありますので、治療初期からの病院選びは非常に大事と言えます。弁護士菅藤が担当している被害者の中でも、病院選びを失敗しなかったことで、健康保険を使っていながら受傷から150日を超えてなおリハビリの機会を失わなかった方もいらっしゃいます。

ですので、治療初期から弁護士菅藤に依頼することで、適切な治療を受ける機会を喪失することを防ぐことにもなります、躊躇せずぜひ早期に交通事故に強い弁護士にご依頼されることをお勧めします。今回のような治療に関するアドバイスは事故後すぐや治療開始初期から一貫して弁護士からアドバイスを行わせておこなうことが、被害者の方にとってもより有効に作用するからです。

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