大分県別府市で交通事故委員会の合宿に参加しました

大分県別府市で交通事故委員会の合宿に参加しました

  福岡県弁護士会と宮崎県弁護士会の、各交通事故委員会の3回目の共催らしく、30名を超える交通事故委員会に所属する両県の弁護士が参加しました。
  時節柄これだけの人数が泊まるホテルの部屋を確保するのが本当に大変だったようです、幹事の方はお疲れ様でした。

  2日めの勉強会は残念ながら私用で参加できなかったので、1日めの勉強会の1テーマである、後遺症として神経症状が残ったケースで、赤本基準を超える労働能力喪失率や後遺症慰謝料が認定されたケースとして、各報告者の体験談の中で報告されていた裁判例の幾つかを紹介させていただきます。
  体験談そのものはは裁判例として公開されていないことも踏まえ、ここでの公開は控えます。ほかにもテーマがありましたが、いずれをとってもまたもや各報告者の体験談における弁護活動のレベルの高さにビックリしました。ますます研鑽を怠らぬよう気がひきしまりました。
  勉強会後にホテルに移動し別府温泉につかり懇親会に参加しました。源泉からひいた風呂桶のお湯の温度がやたら熱かったことがやたら記憶に残った次第です。豊後牛も美味しかったです

■さいたま地裁2008/3/28交民集42巻2号476頁
  自賠責の認定は非該当。胸郭出口症候群は交通事故による受傷形態と矛盾無しとして12級12号を認定。
看護士で力仕事や夜勤に支障を受けているということで、39年間にわたり20%の労働能力喪失を認定し、後遺症慰謝料420万円(12級の赤本基準額は290万円)を是認
■福岡地裁2008/9/11交民集41巻5号1274頁
  自賠責の認定は胸椎圧迫骨折等による11級併合。右握力低下などの外傷性症候群について12級12号を追加認定し、併合10級に格上げ後遺症慰謝料600万円(10級の赤本基準額は550万円)を是認
■名古屋地裁2009/2/27自保ジ1804号20頁
  自賠責の認定は右母趾基部底側の疼痛のみ14級10号認定。右足については右足挫滅創などのため、長期間にわたって右足をかばって歩くなどしたことから右膝に負担がかかり右膝半月板損傷に至ったと認定し、(等級は認定しなかったが)19年間にわたり14%の労働能力喪失を認定し、後遺症慰謝料350万円(仮に12級ならば赤本基準額は290万円)を是認
■千葉地裁2009/12/17交民集42巻6号1657頁
自賠責の認定は右手の握力低下などで14級10号被害者の職業が調理師で、右手が利き腕なのに左手の半分の握力になっていることから、包丁を握るなどの面で実際に支障が生じており、5年以上たった時点でも解消していないことを考慮し、15年間にわたり8%の労働能力喪失を認定。後遺症慰謝料は130万円(赤本基準額は110万円)を是認
■大阪地裁2010/1/25自保ジ1835号43頁
  自賠責の認定は併合14級(局部4か所)。トイレ階段食事そしてエステティシャンとしての業務に支障をきたしていることや、神経症状が単なるむち打ち症ではないことから、31年間にわたり10%の労働能力喪失を認定。
なお、休業損害の基礎収入について、給与所得者の場合には少なくとも事故直前3か月の平均収入を用い、不確定要素の強い職種についてはより長期間の平均収入を用いることがあり、いずれにせよ、基礎収入は実収入によって認定するのが原則であり、実収入が賃金センサスを下回る場合には特段の事情がない限り実収入を基礎として算定すると説示している。
同時に、逸失利益の基礎収入についても、実収入によって認定するのが原則であり、実収入が賃金センサスを下回る場合には賃金センサスと同水準を今後労働能力喪失期間にわたり獲得できる蓋然性を認める特段の事情がない限り、実収入を基礎として算定すると説示している。
■横浜地裁2012/3/28自保ジ1871号99頁
  自賠責の認定は14級併合。配管設備業者の代表を務め、重い配管を手で持って運び天井近くの高いところで配管を設置しつつ溶接する作業が困難になったという仕事の特殊性、及び、現実に収入が下がった点を踏まえ、10年間にわたり14%の労働能力喪失を認定し、後遺症慰謝料132万円(赤本基準額は110万円)を認定
■京都地裁2013/2/5自保ジ1901号95頁
  自賠責の認定は14級9号。両手シビレを呈しているが、明らかなヘルニア画像所見があるものの神経痕の支配領域と一致しないことから他覚的裏付があるということはなお躊躇されるとしたうえで、10年間にわたり8%の労働能力喪失を認定し、後遺症慰謝料150万円(赤本基準額は110万円)を是認。素因減額を否認
■福岡地裁2014/2/13自保ジ1920号56頁
  自賠責の認定は14級9号。車両全損の状況から被害者の受けた衝撃は相当大きなものであったと認められること、事故後しばらくの間首から肩にかけて強い痛みがあり立っているのも困難な状況であったことなどから、通常のむち打ちの場合に比して一定の調整をするのが相当としたうえで、10年間にわたり9%の労働能力喪失を認定し、後遺症慰謝料120万円(赤本基準額は110万円)を是認。
なお、兼業主婦の休業損害の認定において出勤困難の程度と家事困難の程度とは相関関係にあると説示している。


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