菅藤浩三ブログ

グランドハイアット福岡でジャパネットたかた元社長の講演を聴きました

  • 更新日:2016.6.1
  • 投稿日:2016.4.25

グランドハイアット福岡でジャパネットたかた元社長の講演を聴きました

  福岡商工会議所の主催で400名近くが来ていた様子です。講演後の質疑応答も活発でした。演題は「伝える事の大切さ~人生は決断と実行の繰り返し~」

  髙田明元社長と言えば長崎県北部訛りの甲高い声、TVとおんなじでした。
日本の経営者に勧めるフェバリット本は世阿弥の古典「風姿花伝」のようで、【初心忘るべからず】【離見の見】を経営者はどう活かすべきかを説明していました。

ちなみに【初心忘るべからず】は俗に「物事に慣れてくると慢心しがち。取り組み始めたときの新鮮で謙虚な気持ちをわすれてはならない」と解釈されており、私も今日の今日までそう信じ込んでいたのですが、ルーツの世阿弥が言わんとするところは違う意味だそうです。
すなわち、芸の序盤では、初心者の頃のみっともなさを折りに触れて思い出すことにより、そのみじめな状態には戻りたくないと思うことで、さらなる精進を目指しなさい、
芸の中盤では、若き日の未熟な状態から抜け出したのち、年盛りからの各段階で年相応の芸を学んだ、初めての境地を覚えておくことにより、幅広い芸が可能になると心得よ、
芸の終盤では、老後にさえ相応しい芸を学ぶ初心があり、それを忘れずに限りない芸の向上を目指しなさい、初心にはこの3つがあると説いているのです。

髙田明元社長は、初心とは最初から最後まで固定する物でなく、年齢と経験により変容させて問題ないものなのだ、そうすることで常に飽くことなく自分を向上させることを目指すべきなのだと解釈したそうです。

また、【我見=舞台から役者がお客様を見る目、離見=客席からお客様が役者を見る目、離見の見=全体を俯瞰してみる眼】、これは役者用語ですけれども、髙田明元社長はセールスマンになぞらえて【我見=セールスマンがどうふるまうか、離見=消費者にそれがどう見えるか、離見の見=セールスマンや商品をどう消費者に見せていくか】であって、離見の見を意識しなければ押しつけがましい商売になるだけと言っていました。
アンテナを張っている人には古典からも得るものがあるんですねえ。

そのほか、頭で考えるだけで終わらずとにかく動く、動きながらお客様が求めるものが何かを考え常に動く中味をを改良していく、売れる商品を予測するのでなく売れる商品を自分たちで作りだせばよい、健康に気をつけ本社7階の往復でも全くエレベーターを使わない、瞬間瞬間に全力投球しやりたいことをやり続けることやり続けた努力は100%無駄にならない、年をとることは親がくれた顔から自分の人生を生きた顔に変わることそれが素敵、御年67歳とは思えない、とにかく元気な御仁でした。

ジャパネットたかたの成功本を、昔読んだことがありますが、髙田明元社長ならばその中の破天荒なエピソード(例:金利100%負担)も納得できます。決断力と行動力が異常に溢れる方で、同じ九州人として誇らしい限りです。


菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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