休業損害や逸失利益

交通事故で後遺症が残った場合の逸失利益の計算式は?

  • 更新日:2016.6.1
  • 投稿日:2016.4.25

交通事故で後遺症が残った場合の逸失利益の計算式は?

Question

交通事故で後遺症が残りました。後遺症が残った場合、逸失利益というものを請求できると聞いたのですが、その金額はどのように計算するのでしょうか?

Answer

交通事故の被害者に後遺症が残った場合、交通事故以前と変わらぬ収入を得ることは一般に難しくなります。例えば、コンピューターのSEが両手を無くした場合には一般に仕事そのものが続けられなくなります。

 

    仮に後遺症が残らなかったならば将来にわたって得られたであろう収入額が、後遺症が残ったことでまるまる失ったり低下させられたことを補償する、この部分を逸失利益といいます。

  計算式は次のとおりで、あてはめる数値が、男性か女性か、症状固定時点で何歳かによって異なるため、逸失利益は被害者それぞれによって大きく異なってくるものです。

    逸失利益の算定
=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(中間利息控除アリ)

   計算式の中にあるそれぞれの言葉、なぜその数値になるのかなどは別の項目で説明していきますが、ここでは逸失利益の計算例を2つ紹介しておきます。
こんな感じで計算するんだと目を通してもらえば、専門家以外はそれ以上の知識を持っていずとも、まずは問題ありません。

なお67歳とは満67歳までの期間を指します満年齢は生まれた日を0歳として1年目の誕生日に満1歳になるという数え方です。

1)被害者が50歳で年収500万円のサラリーマンで、後遺症により労働能力が35%低下したら・・・
逸失利益=500万円×35%×11・274(50歳から67歳までの17年間に対応する年5%ライプニッツ係数)=1972万9500円

2)被害者が18歳未満の10歳男性で、後遺症により労働能力が35%低下したら・・・
逸失利益=523万0200円(平成22年男子労働者の学歴計全年齢平均賃金)×35%×12・2973(10歳から67歳までの57年間に対応する年5%ライプニッツ係数18・7605-10歳から18歳までの8年間に対応する年5%ライプニッツ係数6・4632)=2251万1068円

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菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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