交通事故コラム

福岡市で発生した交通死亡事故に関して

  • 更新日:2020.6.25
  • 投稿日:2019.3.7

福岡市で発生した交通死亡事故に関して

人身事故 弁護士費用

誰もが朝出かけていくご家族が1日無事に過ごして帰宅することを願っているはずで、まさか交通死亡事故の犠牲者になることなど想像していないことでしょう。ただ、大事故に遭遇すればその場で即死する場合もあり、交通死亡事故となってしまうこともあります。ただし、救急車で病院に搬送され手術を受けて何とか一命を取り留めたものの、ICUでの数日間の治療の甲斐もなく亡くなった場合などは、交通死亡事故の死亡者数には含まれないということはご存じでしょうか。

福岡市の1年間の交通死亡事故の数字が発表されたりしますが、意外に少ないと感じるのはそのせいかもしれません。福岡市に住んでいると、公表されている数字よりももっと交通死亡事故は起きているのではないかと思う方も多いでしょう。頻繁に救急車やパトカーのサイレンの音を耳にすることもあり、確かに交通事故はもっと起きている印象があります。

実際、福岡県内の令和元年における交通死亡事故は93件、重傷事故が806件となっていますが、軽傷事故に至っては25,000件以上発生し、しかも人数にすると軽傷者数は34,000人を超えています。つまり、驚く人数が何らかの形で病院での治療を受けているわけです。

ただ、もしかしたら、さらに多くの方が交通事故の影響を受けて、十分な治療も受けずに十分な補償も受けずにいるのかもしれません。つまり、物損事故として処理されれば人身事故発生件数には含まれないわけが、後になって痛みや不具合が出ても交渉をあきらめてしまう場合もあるでしょう。

さらに、交通事故が原因で亡くなったとしても交通死亡事故の発生件数に含まれないケースがあります。

実は、警察が発表する交通死亡事故とは、事故が発生してから24時間以内に被害者の方が亡くなった場合の事故とされているようです。そういったことを考えると、福岡市のように医療体制が整った自治体であれば、迅速に救急病院に運ばれて救命措置が取られることとなり、一旦は助かったはずなのに数日後に急変して亡くなることもあるでしょうが、それでも交通死亡事故には含まれないことになるようです。

そこで、現在は24時間経過後30日以内に亡くなった方を含めた死亡者数も公表されているようですが、そうなると実際に交通事故が原因となって亡くなった方の人数は2割ほど増えるということですので、それだけ大切な方を失ったご遺族が多いということになります。

特に、自転車事故などで頭部を激しく強打したケースなどは数日後に亡くなることもあり、年齢によっては時間が経っても回復できずに亡くなることもあるようです。

また、遷延性意識障害、つまり植物状態が何年も続けば肺炎や感染症、血栓塞栓症などの合併症で亡くなることもあります。また、高齢者の方の場合は、交通事故に遭ったことが誘因となって亡くなることもあるようで、交通死亡事故とはされないものの、同じような立場に立たされるご遺族もいらっしゃるでしょう。

長寿を全うできたはずの方が、わずか一瞬のうちに命を落としてしまうような交通死亡事故もあれば、昨日まで元気だった方が事故によって寝たきりの生活を余儀なくされて、そのために病気を併発して死亡することもあるでしょう。交通事故による怪我は1~2ヶ月の入院治療で回復すると思われていたところ、その1~2ヶ月の病院生活がきっかけとなり認知症を発症することも懸念されます。

また、事故に遭った時の恐怖や外傷がストレス障害となり、精神的なダメージを負ってしまい命に関わるような状況になる場合もあります。つまり、事故の影響によるうつ病や、仕事から遠ざかざるを得ないために働く意欲を失って心の病気を発症することもあり、怪我の治療と合わせて精神的なメンテナンスが必要になることもあるようです。

さらに、怪我の治療のために手術を受けた後に合併症で亡くなる場合もあるかもしれません。いずれも、交通死亡事故の数には含まれないのかもしれませんが、残されたご家族にとってはまぎれもなく交通事故によって命を落としたという思いだけが残るのではないでしょうか。

ただし、どこまで保険会社が交通事故の関連死として対応してくれるかわからず、状況によっては事故による死亡として保険会社が対応してくれない場合もあり、福岡でも納得いかないままとなってしまったケースもあると思います。

そして、被害者の方に対する加害者側の謝罪の形として保険会社から賠償金などの説明を受けることになるわけですが、交通死亡事故の場合や被害者の方がまったく意識がない場合などは事故の状況を説明することもできません。そして、警察の調べに対しても加害者側の説明だけが事故状況を知る唯一の手掛かりとなってしまうかもしれません。

最近はドライブレコーダーや現場付近の防犯カメラの映像を検証することで、一方的に加害者の言い分だけが通ることはないと思いますが、それでも保険会社との交渉に臨むには弁護士の知識や経験が役立つはずです。そこで、もし福岡市で交通死亡事故の被害者家族となられた時は、これまでも数多くの交通死亡事故を扱ってきた弁護士である福岡市中央区の菅藤法律事務所にお任せください。

当法律事務所では、これまで複雑な事案や交渉が長引く事案もお引き受けして、裁判においては画期的な判決を獲得したり、保険会社には賠償金の増額を認めさせるなどの実績があります。

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