むち打ちなど画像所見のない後遺障害

神経ブロック注射とは?

  • 更新日:2016.6.1
  • 投稿日:2016.4.25

神経ブロック注射とは?

Question

交通事故でむち打ちになりました。半年以上病院に通っていますけれども、薬を飲み続けても電気治療をしても一向に首の痛みと腰の痛みが改善しません。
主治医から「神経ブロック注射を試してはどうか」と薦められました。正直、首とか腰に注射を打って常習性がつかないのか、より重い後遺症を来たさないのか、心配です。
神経ブロック注射とはどういう治療なんでしょうか?

Answer

これは、痛みは神経の興奮によって昂じているという考えから、その神経の近くに局所麻酔薬を注射することで、一時的に神経の興奮を抑え、血流を改善させ、痛みで傷ついた部位を自然治ゆ力をより高めて回復を図る治療法です。純粋な整形外科ではなくペインクリニックの領域に入る治療方法です。
痛みの情報が神経を伝達する状態を一時的に注射で中断する、その現象からブロック注射と呼ばれています。

ブロック注射により、痛む部位の筋肉がほぐされ血流の改善が期待できます。結果、痛んだ神経や筋肉がより効果的に早く回復しやすくなる状態が生み出されます。対症療法(=治療を繰り返しても時間が経てば痛みは従前の水準に戻ってしまう療法)ではなく、人間の持つ自然治ゆ力をサポートする、治療方法といえます。
また、薬物療法に比べ、痛む部位に効果を限局するため、全身への影響が少ないという利点もあるため、薬物療法と手術との中間的治療方法と言われているようです。

頭・首・肩といった上半身の痛みには星状神経節ブロックが使用され、他方、腰・足先といった下半身の痛みには腰部硬膜外神経ブロックが使用されます。

星状神経節とは上半身の交感神経の中枢で、首にある星の形をした神経のかたまりです。長い間、頭痛や頸部痛に悩んでいると交感神経が持続的に興奮状態となり、痛みに敏感になったり血流が悪くなります。
そこで、星状神経節をブロックする注射をすることで、交感神経の興奮を抑え、上半身の痛みをやわらげ、効果的に血流を改善させるのです。

腰部硬膜外ブロックとは、首からおしりまで続く脊髄神経を取り囲む空間に局所麻酔液を注入することで、脊髄神経に薬液が到達し、下半身の広い範囲の痛みをやわらげ、効果的に血流を改善させるのです。

星状神経節ブロック・腰部硬膜外神経ブロックのいずれも健康保険の適用対象内の治療で、入院せずとも外来で受診可能です
1回のブロック注射の持続効果は数日から数週間と人それぞれのようですが、常習性があったり副作用のリスクの高い治療ではないそうです。年齢制限はなく妊婦でも可能です。 受診回数は週1回くらいが普通の頻度のようです。
注射針を刺すので全くの無痛ではないのですが、痛みの専門医であるペインクリニックで処方されることから、そのあたりは配慮してもらえるようです。

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菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

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弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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