むち打ちなど画像所見のない後遺障害
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むち打ちなど画像所見のない後遺障害
追突される交通事故に遭いました。首や腰がとても痛いのですが、レントゲンやMRIといった画像検査をしても、何も異常は映っていませんでした。痛みがあることをカルテに記録してもらうために、画像検査以外に主治医にどのような検査をしてもらうことが有用でしょうか?
痛みを可視化(患者本人が訴えているという自覚症状以外に、第三者特に後遺障害を認定する機関などに分かる形に記録化する)することは、画像所見を伴わない典型的なむち打ちなどの場面で、将来、交通事故の損害賠償を請求するにあたってはとても大切な作業の1つです。
医療の専門家以外にはほとんど知られていませんが、痛みの存在を、患者本人ではない医師等が把握するために、医療の世界にはさまざまな神経学的検査が用意されています。
ただ、患者本人の申し出を受けて初めて神経学的検査に取り組んでくれる医師も少なくありません。
ですから、痛みをきちんと記録化してほしいと思っている交通事故被害者は、躊躇せずに検査名称をあげてその神経学的検査を実施してほしいと主治医に伝えることをお勧めします。
さて、神経学的検査には反射・筋力などを検査するものもあるのですが、むち打ちでよく起こる疼痛の原因となる神経根の症状を把握する代表的な検査ということで、頸部痛のものを3つ・腰部痛のものを3つ紹介します。
1、スパーリングテスト(頸部)
頭を傾ける方向の逆側からこめかみの上あたりを押して、首を横に傾けます。
横方向の力を加えることにより椎間孔が狭められるので、そこを通る神経根に障害が存在する場合、その神経根の支配領域に疼痛やしびれ感が放散します。
疼痛やしびれが生じた場合は+(陽性)、生じなかった場合は―(陰性)と記載します。
2、ジャクソンテスト(頸部)
頭を後ろに反らせておでこを上から押し付けます。
下方向の力を加えることにより椎間孔が狭められるので、そこを通る神経根に障害が存在する場合、その神経根の支配領域に疼痛やしびれ感が放散します。
疼痛やしびれが生じた場合は+(陽性)、生じなかった場合は―(陰性)と記載します。
3、肩引き下げテスト(頸部)
片方の手で肩を押し下げ、もう片方の手で首を横に押し付けて、いわば頭と肩を伸ばして離す格好をとります。
その検査を受けた側の神経根に障害が存在する場合、その神経根の支配領域に疼痛やしびれ感が放散します。
疼痛やしびれが生じた場合は+(陽性)、生じなかった場合は―(陰性)と記載します。
4、ラセーグテスト(腰部)
患者をあお向けにし、股関節と膝関節をそれぞれ90度に折り曲げた状態から、膝を徐々に伸ばしていきます。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経に障害が存在する場合、膝を伸ばしていく途中に疼痛やしびれ感が放散します。
疼痛やしびれが生じた位置で+何度(陽性)と記載します。
5、SLRテスト(腰部)
患者をあお向けにし、膝を伸ばした状態で床面から足をあげていきます。
異常が無ければ70度くらいまで足があがるのですが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経に障害が存在する場合、あげる途中で疼痛やしびれ感が放散します。 疼痛やしびれが生じた位置で+何度(陽性)と記載します。
6、FNSテスト(腰部)
患者を腹ばいにし、膝を90度に曲げた状態から片足を持ち上げていきます。
腰椎椎間板ヘルニアや大腿神経に障害が存在する場合、片足を持ち上げた際に、大腿神経に沿った太腿前面に痛みが放散します。
疼痛やしびれが生じた場合は+(陽性)、生じなかった場合は―(陰性)と記載します。
交通事故(人身被害)に遭われてお困りのときは、お気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。