労災保険で障害認定された等級に不服があるときは?

Question

 福岡県宗像市に住んでいます。正社員の仕事で外回り中、横断歩道を渡っている時に、赤信号無視して交差点に突っ込んできた自転車にぶつけられて、左足関節を骨折しました。
 1年間治療したものの、可動域制限と痛みが残ったので、労災保険での障害補償給付の認定という手続をとりました。
 労災保険から障害認定の等級がおりたものの、その等級に納得できません。どういう手続をとったらよいのでしょうか。

Answer 

 交通事故に遭遇した場合も、加害者が自動車でない場合など、自賠責保険で用意している後遺障害認定手続が利用できないことがあります。
 その際、仕事中だったり日常の出退勤の途中の勤め人の場合には、その交通事故は業務災害や通勤災害といった労災保険の適用対象となります。

 治療を続けたものの、負傷した部位が元通りに戻らぬまま後遺症が残った場合には、障害補償給付の支給請求を労基署におこなうことで、労災保険における後遺障害の等級認定手続に入ってもらうことになります。

 その手順はⅰ~ⅵのとおりです。
ⅰ、療養補償給付(治療費)を労災保険から支払ってもらう場合、業務過程や通常の出退勤経路中に受傷したことを説明する先行する所定の請求書を提出しているはずです。
ⅱ、あわせて休業補償給付(休業損害)を労災保険から支払ってもらう場合、所定の請求書に加え、平均賃金算定内訳(別紙1)と労働できなかった期間に関する書類(別紙2)を提出しているはずです。
ⅲ、そして、障害補償給付(後遺障害)を労災保険から支払ってもらうために、所定の請求書に添付する診断書に、療養の内容及び経過や障害の状態の詳細、関節運動範囲を書いてもらいます。
ⅳ、その診断書と所定の請求書、そして、レントゲン写真などを添えて、勤務する会社を管轄する労基所に提出します。
ⅴ、労基署から、負傷部位の可動域計測や聞き取りを実施するための認定日の通知がなされますので、その認定日に労基署に赴いて、実際に可動域計測や聞き取りを実施してもらいます。
ⅵ、認定日が過ぎて一般に1~2か月後に、支給決定通知書が届けられます。この支給決定通知書に支給額のほか、認定等級が記されているのです。

  さてご質問者の場合、労災保険の認定等級に不服があるということですが、その場合、支給決定通知を受け取った日の翌日から起算して60日以内に、労働者災害補償保険審査官に宛てた審査請求を実行しなければなりません。

 なお、審査請求の決定内容に依然不服がある場合は、審査請求の決定書原本を受け取った日の翌日から起算して60日以内に、労働保険審査会に宛てた再審査請求を実行することができます。

    ところで、労災保険の等級認定に不服を申し立てるにも、なぜ労災保険はそういう認定をしたのか、それを覆すにはどういう資料を追加すればよいのか、闇夜に鉄砲を打つようなやり方でなく、労基署の判断理由を知っておきたいところです。

    福岡の場合、運転免許証や被保険者証といった本人確認書類のコピーと住民票を添えて、福岡労働局総務部企画室情報公開窓口に、福岡労働局長宛の保有個人情報開示請求書を郵送すれば、判断理由を記した文書を開示してもらうことができます。

  この場合、開示請求書には、《平成●年●月●日付で、○○労働基準監督署長が私の障害補償給付支給請求に係る決定を行った際に、○○労働基準監督署で作成された「補償給付実地調査復命書」》と書いて、欲しい文書を特定する必要があります。漠然と何々に関する関係資料という記載では文書の特定不十分とされます。

  さて、文書の開示不開示の決定は、原則として30日以内に書面で通知されます。そうすると、例えば、労災保険からの支給決定通知を受けてから40日めになって審査請求をしようとした場合、労基署の判断理由を知ったうえで審査請求を行うには時間が足りないことになります。

 その場合は、審査請求書だけ60日の法定期限内に先行して出しておき、その中の審査請求を求める理由の箇所はごくごく簡単に記して、証拠の欄には、追って提出(現在、補償給付実施調査復命書を取付中。その内容を踏まえて提出する)と言及しておけば、福岡の労基署は受け付けてくれるらしいです。

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