交通事故コラム

福岡県で自転車事故に遭遇して怪我した人のために

  • 更新日:2024.5.25
  • 投稿日:2024.5.25

 福岡県では、令和2年10月1日から自転車保険への加入が条例で義務化されました。

 加入が義務付けられている自転車保険の内容というのは、自転車を運転している者が加害者になってしまい自転車事故の被害者に対する損害賠償義務を負担した場合に加害者本人が支払うべき損害を補償する自転車損害賠償保険です。つまり、自転車を運転している者自らが被害者となった時にその治療費などをいったん自分が加入する保険で補填してもらう、傷害保険は依然加入義務はありません。

 しかし、福岡県警察のホームページに掲載されている令和4年自転車関連交通事故発生状況を見てみると、歩行者相手の自転車が加害者となる自転車事故の発生件数が110件であるのに対し、自転車同士や自転車とバイク、自動車との間で発生する車両相互の事故は発生件数が3200件を超えていることから、前記保険の義務化も社会の当然の要請といえます。

 バスや電車といった公共交通機関の発達によって、特に都心部に住む方の中には自家用車を持たない人も増えてきていて、代わりに、自動車よりも小回りが利き、維持管理にかかる費用も低い自転車を、普段から通勤通学や買い物などに利用している方も多いかと思います。利用者が多くなると問題が出てくるのも常なのか、福岡市でもおしチャリ運動や放置自転車指導巡回など、自転車のマナーに関する取り組みを行っている光景がよく見られます。

 自転車を運転する際には、加害者にならないよう歩行者に気を付けることも勿論ですが、被害者にならないよう、きっと車両が避けてくれるだろうと楽観視せず、周囲に気を配って運転することが重要です。また、現在ヘルメット着用は努力義務ではありますが、自転車を運転する際にヘルメットを着用することで万が一自転車事故に遭っても頭部を守ることが出来るので、ぜひ自分に合ったサイズのヘルメットの着用をすることをおすすめします。
人身事故示談交渉

 自転車事故の被害者は事故時に直接身体に衝撃を受けることが多いため、怪我が自動車同士の事故と比べて重症となりやすく、怪我の治療に行く時や怪我がひどく仕事が出来ないような体調の時に仕事を休んだり、怪我した箇所や痛む箇所を動かすような仕事はやらないよう仕事内容を変更したりしつつ、身体の治療をしなければならない事態になることも多いです。そのことが原因で収入が途絶えたリ、減額されるようなことがあれば、当然、自転車事故の被害者として休業損害を加害者の付保する損害保険会社に請求することができます。
 また、通院してリハビリを行うために仕事を休んだ場合も、休業損害を請求できます。休業損害は、自転車事故に遭わなかった場合の一日当たりの賃金と休業日数を乗算した金額とするのが通常の計算方法です。収入のない専業主婦が自転車事故のために家事が出来なくなった場合も、家事労働者として休業損害の補償対象になると考えられています。担当医師や勤め先、加害者の付保する損害保険会社とのやりとりがスムーズにいかない場合もありますので、休業損害の請求が出来るかどうかのご相談や、他とのやりとりを自転車事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

 更に、場合によっては、一定期間治療しても自転車事故前の元の状態に戻らず、後遺症が残ってしまうこともありえます。加害者の付保する損害保険会社からこれ以上治療を行っても症状が回復しないと判断されると、それ以降は治療してもしなくても変わらないので治療の必要性はないと主張され、治療費を補償されなくなるので、後遺症が残ったことを審査機関に認定してもらう必要があります。

 しかし、後遺症が残存していると申請を行えば誰でも簡単に認定される訳ではありません。事故から申請までの間、主治医にしっかりと症状を伝え、早いうちから計画立てて適切に治療を行い、必要事項を過不足なく後遺症の申請書類に記載してもらう必要があるため、被害者単独ではなかなか後遺障害申請を行うのも難しいです。年々後遺症の認定基準も上がっているので、自転車事故で怪我をした際には、適切な後遺障害認定を得るためにも、早いうちから弁護士に相談することが重要です。

 自転車保険には、被害者になった時に弁護士費用を負担する弁護士費用特約が付いたものもありますので、費用を気にせず弁護士へ安心して相談するためにも、自転車事故の加害者になった時だけでなく、被害者の時も自転車保険を利用できるかどうか、利用できたとして弁護士費用特約は付いているのか確認することをおすすめします。

 福岡市にある菅藤法律事務所は、20年以上、2000件以上の交通事故の損害賠償交渉を解決してきました。自転車事故に遭われた方の相談も長年受けてきておりますので、ご相談希望される方はお気軽に経験豊富な弁護士へ連絡ください。菅藤法律事務所は福岡市の中心部の大濠公園そばにあり、地下鉄空港線の大濠公園駅(福岡市美術館口)からも近く、公共交通機関のアクセスも充実しています。法律事務所1階には無料で停めていただけるお客様用駐車場を完備しておりますので、自動車で来られる方も安心してご連絡下さい。

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