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自転車取り締まりのルールが2026年4月から強化~青切符導入

  • 更新日:2026.3.29
  • 投稿日:2026.3.29

第1、自転車は自動車やバイクと違って運転免許が要らないことから、老若男女の全ての移動手段として普及しています。学生時代に学校に通う頃から自転車を利用したことがある人も多いでしょうし、外国人にとっても非常に利用しやすいツールです。
 利用しやすい分、自転車が加害側となり歩道上で歩行者に衝突したり、イヤホンを両耳にはめながら自転車を運転するため自動車などほかの車両の走行に気づかず自動車の左折に巻き込まれて大怪我する事故などが福岡でも頻発しています。
 そのため、自転車取り締まりルールが2026年4月から強化されます。

第2、そもそもですが、取り締まりルールが強化される以前から自転車に定められていた基本ルールを確認してきます。
 自転車の運転には運転免許は要りませんが、道交法上は軽車両に該当します。軽車両に該当することから、自動車を運転する者から言わせると危険ではあるのですが、進行する方向の車道上の左側を通行することが原則です。歩道を自転車が通行してよいのは、自転車の運転手が13歳未満か70歳以上の場合、自転車通行可の歩道になっている場合など例外です。その場合も、歩道上の中央から車道寄りを徐行するように義務付けられています。
 自転車は軽車両ですから、車道の一時停止規制に服し、交差点に進入する際に一時停止規制があるとは必ず一時停止し、周囲の安全を確認したあとで再発進しなければなりません。
 そして、2026年4月から自転車の交通違反には、指導警告にとどまらず、赤切符あるいは青切符が切られるものは付加されました。

第3、まず赤切符というのは刑事処分の対象とするという意味で切られる切符です。赤切符を切られると、送検され罰金を科されることもあります
 実は赤切符の対象は意外に広く、酒酔い運転や酒気帯び運転・右側通行(逆走)・信号無視・一時停止義務違反・外界からの音をふさぐ両耳イヤホンを装着しながらの運転・傘さし運転・走行中のながらスマホ(なお停止中の操作だけ適用なし)などなどが赤切符の対象です。
 ただし、実際の運用では赤切符まで切らずに青切符で済ませることも多いようです。一番の理由は全部が全部赤切符を切ってしまうと、警察や検察の処理能力がパンクするからでしょうが、裏を返せば、赤切符に該当する交通違反をしてしまうと、青切符にとどまらず赤切符を切られても文句はいえないということになります。
 あと、自転車でデリバリーサービスに従事している運転手が、スマホをハンドルに固定してナビゲーションとして利用して走行する場合はどうかですが、あくまで運転の補助として使用するものでスマホ画面に集中しているわけではないからと、ながらスマホ違反には該当しないのではないかと言われています。ただ公式見解がでているわけではなく法解釈として適用除外になるという考え方です。

第4、そして青切符というのは、交通違反の現場で交付される交通反則告知書のことを言います。文字のとおり赤切符は台紙が赤いのですが青切符の台紙は青いです。青切符の適用対象は16歳以上の自転車運転者です。
 青切符の場合は反則金を納付することで処理は終了となり、送検されませんし前科もつきません。2026年3月以前は自動車やバイクには青切符がありましたが、2026年4月以降から自転車にも適用範囲を拡大することになりました。
  2026年4月時点での青切符の反則金金額ですが、走行中のながらスマホ1万2000円・遮断機の下りた踏切立入7000円・信号無視6000円・逆走6000円・傘さし運転5000円・外界からの音を塞ぐ両耳イヤホン5000円・一時停止違反5000円・違法な二人乗り3000円と言われています。
 やっちゃいそうなのが、ハンドルに買い物袋をかけて運転する行為も反則金5000円の対象になっていることです。
 他方、自転車で歩道走行したら道交法違反を理由に青切符を切られるていうのは、俗にいうママチャリ族にとっては危険な車道をママチャリで走行しろと言うに等しいという猛反発もおきました。
 これについて、警察庁から2026年4月道交法改正にあわせて発刊された自転車ルールブックには’’単に歩道を自転車が通っているだけでは、これまでと同様、指導警告は行いますが、青切符の対象とすることはしません’’と明記されています。このような配慮から考えると、道交法違反ではあってもやたらめったら青切符を切ることはせずに当面は警察は指導警告にとどめる様子見するのではないでしょうかと弁護士菅藤は予測しています。

第5、なお、自転車に乗車する際には、ヘルメット装着の努力義務が道交法により課せられています。この努力義務は自ら自転車を運転する者に限らず、子供や友人などを自転車に同乗させるときは、その同乗者にもヘルメット装着させるようにと同様の努力義務が課されています。
 努力義務という表現は、ヘルメット不装着の事実があっても、直ちに赤切符や青切符で警察に摘発されるわけではないですが(菅藤個人としては、ヘルメット装着により自転車の運転者が頭部に大怪我することはより回避しやすくなるという結果から考えると、そして学生時代に自転車通学を許容する学校ではほぼすべてヘルメット装着しての通学利用を校則に組み込んでいるからすると、大人や子供にもヘルメット装着を定着させるために、あえて青切符の対象にしてもよかったとは思っていますが)、ヘルメット不装着の状況で頭部を打撲する交通事故被害に遭遇した場合は、努力義務不履行を理由にヘルメット装着していた人に比べて過失相殺されて受け取れる賠償額が減じられることになります。

菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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