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本件事故の事故態様は、被害者が被害バイクで福岡市南区平和の片側1車線道路を直進し、交差点手前で1車線増え第1車線が左折・直進レーン、第2車線が右折レーンとなっている道路の第2車線に進入し走行していたところ、被害バイク左側にある脇道から第1車線、第2車線を横切り、対向車線へと右折しようとした加害自動車が、渋滞していた第一車線の車と車の間から出てきて、加害自動車の前部が被害バイクに衝突し被害者の左足が加害自動車と被害バイクとの間に挟まれ強く押される形となったというものでした。
被害者は交通事故により病院に救急搬送され、左大腿骨骨挫傷、左膝蓋骨骨挫傷、左膝内側半月板損傷等と診断されました。
被害者から弁護士にご相談いただいた時期は、交通事故から約2週間後の治療を開始してからそこまで時間の経っていない段階でした。あいにく被害者が加入されている任意保険には弁護士費用特約が付いていなかったのですが、被害者の負傷部位である左膝のMRI画像を確認し、左膝蓋骨骨挫傷を窺わせる輝度変化が認められるものであったことから、後遺障害が残存する可能性が高かったために、後遺症を的確に認定してもらうには弁護士の助力を得る必要があるということで、この時点で受任し、受任後は今後の治療経過をみながら、後遺障害が残存した場合には症状固定後に被害者請求を行い後遺症の等級を確定させ、加害者の加入する損保会社への賠償請求を行うという方針を固めました。
被害者は労災を利用しての通院でしたので、実通院日、治療費の金額の照会や診療録の取り寄せは相手方の付保する損害保険会社ではなく、被害者側にて行う必要がありましたが、左膝のMRI画像を確認してすぐに受任したため、症状固定が到来した際に、被害者請求のための後遺症申請のための書類を病院から徴求するにあたっては、スムーズに準備することができました。そして、被害者請求の結果、左膝関節痛等の症状について、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、局部に神経症状を残すものとして認定され、第14級9号の後遺障害が残存しているとして、自賠社から後遺障害認定を受けることができました。
自賠社の認定を基に、治療費や通院交通費や文書料、休業損害、そして、治療期間や後遺症に見合う慰謝料や逸失利益を加害者の付保する相手損保に請求しました。
休業損害について、被害者は有給等を利用し実際の減給はありませんでしたが、例え減収が無かったとしても休業損害として補填されるべきと主張しました。
逸失利益は、後遺障害等級だけでなく、症状も鑑み、労働能力喪失率は5パーセント、労働能力喪失期間は5年にとどまらずより長期にするのが適当であるとして提示しました。
これに対し、相手損保は、休業損害や慰謝料の請求額からの減額を求め、さらに、逸失利益について、労働能力喪失期間はわずか3年間とするのが適当として請求額を大きく下回る回答をしてきました。
回答のうち、逸失利益の労働能力喪失期間について、後遺障害等級第14級9号に認定されているけれども、器質的損傷が確認できないむち打ち症ですら労働能力喪失期間は5年と設定することに批判が存在する状況で、被害者の後遺障害の原因は左膝蓋骨骨挫傷など器質的損傷を伴う負傷であり、撮影されたMRI画像からも左膝蓋骨骨挫傷を窺わせる輝度変化が確認されており、安易に労働能力喪失期間を限定すべきではなく、満67歳までという一般の後遺障害での労働能力喪失期間から制限する評価を下す場合には、制限して当然という確固たる医学的根拠が必要であるとして、労働能力喪失期間の見直しがなされる案件だと主張しました。
その結果、加害者の付保する損害保険会社が、逸失利益についての主張を撤回し、ご依頼者にもご満足いただける条件で訴訟を行わずに解決することができました。ご依頼者には、後遺障害が認定されたことを含め、弁護士費用特約がなかったけれども弁護士に依頼した甲斐はあったとお喜びいただきました。