むち打ちなど画像所見のない後遺障害
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むち打ちなど画像所見のない後遺障害
福岡県糟屋郡篠栗町の横断歩道を歩行中、クルマに追突される交通事故に遭いました。全身打撲と病院では診察されたのですが、レントゲンなどに映る怪我はありません。
繊維筋痛症(FM)とは、関節・筋肉・腱など全身の広範な部位に、慢性の激しい疼痛や一定の部位の圧痛が現れる疾病です。
この疼痛や圧痛以外に、疲労倦怠感・微熱・渇き・寝汗・下痢・腹痛・便秘・動悸・体温調整困難・筋力低下・不眠・抑うつなど、様々な自覚症状を伴うことが珍しくありません。
繊維筋痛症は、自覚症状が前記のとおり多彩であるにもかかわらず、圧痛以外の診察所見が認められないため、アメリカリウマチ学会が2010年に定めた診断基準に則して、発症したかどうかを判定することが通常です。
①広範囲の疼痛が3か月以上持続している。
広範囲とは、身体左側・身体右側・腰から上・腰から下、さらに、大幹中心部(頸椎・前胸部・胸椎・腰椎のいずれか)の全ての箇所に痛みが存在する場合を指す。
②約4kg(押す検査者の親指の爪が白くなるくらい)の強さによる手指による触診で下図の18カ所の圧痛点のうち11カ所に圧痛がある。
例えば横浜地裁2012/2/28自保ジ1872号10頁は、繊維筋痛症という診断名を下した主治医が②の触診すら行っていないとの理由で、繊維筋痛症に罹患したという主張を一蹴しています。
繊維筋痛症の発症原因については、ウィルス感染説・不眠説・食物アレルギー説・化学物質過敏説・自律神経異常説など、数多くの学説が唱えられています。
交通事故により外傷を受けた場合、どのような過程で繊維筋痛症が発症するのか、医学的機序が全く明らかになっていないことが、因果関係が争われる状況を招いています。
裁判例も、交通事故との因果関係を否定したモノ(神戸地裁2008/8/26自保ジ1794号2頁、名古屋地裁2014/4/22自保ジ1926号95頁、東京地裁2012/9/13自保ジ1885号27頁)、交通事故との因果関係を全面的に肯定したモノ(京都地裁2010/12/2自保ジ1844号21頁=7級4号認定)、交通事故との因果関係を肯定しつつも被害者に生じた損害の一部のみの賠償を命じたもの(山口地裁岩国支部2006/10/13最高裁ウェブサイト)、まだ全体的な傾向がハッキリしないもののどちらかといえば否定例が多いようで、繊維筋痛症という診断が下された場合には医学論争に入らざるを得ないため、難件になることを覚悟しなければならない状況にあります。
交通事故(人身被害)に遭われてお困りのときは、お気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。