高次脳機能障害・遷延性意識障害
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高次脳機能障害・遷延性意識障害
福岡県春日市に住んでいた年金暮らしの65歳の父が、横断歩道の自転車横断帯を自転車で移動中、脇見運転のクルマにひかれる交通事故に遭いました。
66歳男性の平均余命は平成25年簡易生命表で18・30年です。
しかし、交通事故で植物状態になった人の死亡率は、5年未満で66・3%、5年以上10年未満で21・8%、10年以上15年未満で8・3%、15年以上20年未満で3・0%、25年以上が0・4%という、自動車事故対策センター作成の統計が存在するのも事実です(東京高裁1994/5/30交民集27巻6号1562頁)。
ですから、相手損保は上記東京高裁1994/5/30に依拠して、介護費用の対象期間を平均余命よりも大幅に短く設定した数値を主張しているのでしょう。
しかし、裁判例の圧倒的多数は、上記の統計が存在しているにせよ、平均余命までの介護費用を賠償対象として認定しています(例えば、東京地裁1998/3/19判タ969号226頁)。
この東京地裁1998/3/19は、自動車事故対策センター作成の統計資料に対し、この資料のサンプル数はきわめて少ない、遷延性意識障害の患者をめぐる介助や医療の水準は日進月歩であり現在もなお通用する資料とは確証できないと、その数値に依拠して心証を形成すべきでないと説示しています。
実際、平均余命よりもさらに短く将来介護期間を認定した場合、もし医療の進歩で交通事故被害者がその認定された期間を越えて存命したときは、その期間以降にかかる介護費用は被害者側で負担することを余儀なくされ、いわば延命を被害者側が歓迎しなくなるという非倫理的な状態が生まれてしまいます。
また、裁判官自身が「この被害者は平均余命よりも短い〇×年しか生きられない。だから、介護費用もその〇×年の限度しか要らない」と、占い師のように判決で宣言することに、強い心理的抵抗があるという事情もあるようです。
ですから、交通事故の被害者側としては、多くの裁判例が平均余命までの生存可能性あることを前提に認定していると反論しても問題ないと思料します。
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