完全看護だと入院付添費は認められない?福岡の弁護士に相談してみよう

完全看護だと入院付添費は認められない?福岡の弁護士に相談してみよう

Question

 70歳の夫が交通事故に遭い、脳挫傷で半年間寝たきりだったのですが、治療の甲斐なく残念ながら亡くなりました。私はその半年間、夫が意識を取り戻すように念じて、病院に毎日通って手足をマッサージしたり声掛けしたりしてきました。
 しかし、損保会社から「病院は完全看護だったのだから、加えて親族の入院付添費は支払えない。」と言われています
 なお、病院からは特に親族の付添の指示書は発行されていません
 損保会社のいうとおり完全看護だと入院付添費は支払ってもらえないのでしょうか?

Answer

 まず、入院付添費は、医師による親族への付添指示がある場合なら、問題なく賠償を受けることができます。
 ただ、全看護体制の場合、字義とおり付添を不要とするからこそ完全看護なのだという建前から、医師による付添必要の証明書は発行してもらえなのが実態のようです
 医師による付添看護の証明書がないことから、入院付添費の賠償を否定した裁判例もあるにはあります(東京地裁2005/12/21自保ジ1637号9頁)。

 しかし、医師による付添指示を欠くときであっても、①被害者が幼児や児童で低年齢である、②被害者の怪我が重傷でいつ亡くなるかもしれない危険な状態が続いている、③被害者が自力で動けず当面の間は近親者による身の回りの世話を必要な場合、このような場合には近親者の入院付添費も賠償対象に含めるケースが多く見られます。

 というのが、完全看護といっても、現実には寝たきりなど重篤な被害者は身の回りの事柄は自分では全くできませんし、また、多忙な看護士が親族が常に付き添っているかのようにかゆいところに手が届くような形で細かく対応することは普通は期待できないからです。

 ただし、完全看護体制にある場合には、近親者が実際に入院付添の中でどのようなことをした、その行動は看護士などに完全に任せていては不都合な面があったなど、被害者に入院付添が必要だった事情を近親者ができる限り詳しく説明することが必要です。
 そのためには、看護日誌に頼るのではなく、近親者自ら付添看護記録を日々作成されておくのが便利でしょう。

 例えば、仙台地裁2007/6/8自保ジ1737号3頁では、1級1号遷延性意識障害の後遺障害が残った25歳女子について、完全看護体制ではあるけれども、手足のマッサージや排せつ処理・経口摂取の手伝いや近親者による声掛けがなされたことをもって、症状固定日までの全入院期間について日額8000円の入院付添費の賠償を加害者側に命じています。
 また大阪地裁2015/7/2交民集48巻4号821頁のように、下顎骨骨折で38日間入院し、医師の指示があったわけではないものの、治療のため口をワイヤーで固定され話すことができず筆談でやり取りし、食事も流動食だったことを理由に、付添看護の必要ありと日額5000円の入院付添費の賠償を加害者側に命じたものもあります。

 そのほか東京高判2002/8/8自保ジ1473号2頁(5年間にわたり日額8000円)、福岡高判2012/7/31判時2161号54頁(127日間にわたり日額8000円。被害者は小学1年生)、大阪地判2013/3/26自保ジ1906号80頁(92日間にわたり日額6000円)、東京地判2018/3/29自保ジ2025号1頁(309日間にわたり日額6000円、被害者は8歳)があります。

 交通事故の治療のため、完全看護の入院生活を送られた際に、家族の入院付添を受けられた被害者やそのご家族がお困りのときは、ぜひお早めにそしてお気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。

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