交通事故Q&A
無料相談実施中!お気軽にご相談下さい。
24時間・時間外受付可能!
交通事故Q&A
京都地判2019/1/29自保ジ2045号18頁を参考にしました。
自賠責では、脳外傷による高次脳機能障害と診断する重要ポイントとして、まず①家族や実際の介護者や周辺の人が気づく日常生活の問題、次に②画像所見として急性期における何らかの異常所見(例:脳内の点状出血・脳室内出血・クモ膜下出血)または慢性期にかけての局所的な脳萎縮とくに脳室拡大、が存在することが指摘されていますが、それと並行して、③急性期における意識障害の程度と期間もチェック項目として挙げられています。
③に関して具体的には、半昏睡以上の意識障害(JCSで3桁かGCSで8点以下)が6時間以上続くか、あるいは、軽めの意識障害(JCSが2桁か1桁、GCSで13点以上)なら1週間持続していることを要求しています。ただし、高齢者に限ってはこの期間はもっと短くても差し支えないとしています。
意識障害の期間を重視する理由として、上記京都地判は【意識障害は脳の機能的障害が生じていることを示す指標であり、一次性の脳外傷に起因する意識障害が重度で持続が長いほど、特に脳外傷直後の重度の意識障害が6時間以上継続する場合、高次脳機能障害が生じる可能性が高いとされている】と言及し、Qの被害者の場合に意識障害の程度も軽く時間も1時間にも満たない短さだったとして、脳に器質的損傷が生じたとは認定できないとし、非器質性精神疾患を認定しました。
ほかにも、意識障害が短時間だったことを理由に高次脳機能障害の発症を否定した事例として大阪地判2016/10/24自保ジ1989号1頁があります。
交通事故を多く取り扱う福岡の弁護士の経験に照らしても、意識障害時間の長短は自賠責も認定の際に注目していますので、後遺症申請の際には時間の長短をしっかり押さえておく必要があります。