責任主体

オートローン途中の無保険車のクレジット会社に、賠償請求できるか?

  • 更新日:2016.6.1
  • 投稿日:2016.4.25

オートローン途中の無保険車のクレジット会社に、賠償請求できるか?

Question

無保険のクルマに追突される交通事故に遭い、怪我しました。事故後、そのクルマが無保険であることが分かりました。そのクルマはオートローンの返済途中のようで、車検証の所有者はクレジット会社になっていました。このクレジット会社に賠償請求してもよいのでしょうか?

Answer

オートローンでクルマを購入した場合、クレジット会社が完済される前にクルマを勝手に売却されることを防ぐため、車検証の所有者欄にクレジット会社名を記し、車検証の使用者欄に買主の名前を記して、購入者がクルマの納車を受けることが普通です。

ところが、この買主が月々のローンがきついのか、買ったクルマに任意保険をかけずに走ることがたまにあります。
    2009年3月末の日本損害保険協会の発表によると、対物対人保険のクルマ加入率は72・8%、つまり数のうえでは公道を走っているクルマの4台に1台は任意保険に入っていないことになります。
    そんなクルマにぶつかられた不運な被害者の補償が、支払能力にまず心配のないクレジット会社からなされれば万々歳なのですが。

   残念ながら、裁判所は、クレジット会社は単に代金の確保のためだけに所有権を留保されているにすぎないので、自動車に対する運行支配も運行利益も帰属していないと評価されるため、クレジット会社から運転者に代わって賠償してもらうことはできないと結論づけています(最高裁昭和46年1月26日交民集4巻1号20頁)。
    ですから、クレジット会社以外の賠償義務者を見つけ出す必要があります。

    交通事故(人身被害)に遭われてお困りのときは、お気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。

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菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を拠点に、交通事故被害者の問題解決をサポートする現役の弁護士。弁護士歴約25年、2000件以上の交通事故案件を解決してきた豊富な実績を持つ。東京大学卒業後、合格率2.69%の司法試験に合格。整理回収機構の顧問弁護士や、日本弁護士連合会・福岡県弁護士会の委員を歴任するなど、交通事故分野における高い専門性と信頼性が評価されている。

当サイトでは、長年の経験と実績を持つプロの弁護士だからこそ書ける、信頼性の高い一次情報などを発信しています。

弁護士歴(抜粋)

  • 1992年

    司法試験合格

  • 1995年

    福岡県弁護士会に弁護士登録

  • 2004年

    整理回収機構 九州地区顧問 就任

  • 2006年

    菅藤法律事務所を設立

公的役職歴(抜粋)

  • 2010年~

    日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長

  • 2010年~2013年

    福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長

  • 2014年~

    福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長

  • 2015年~

    福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員

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