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深夜、福岡県北九州市で、自転車で工事中の舗道を走行していたところ、2つのカラーコーンをつなぐコーンバーが誰かのイタズラでカラーコーンから外され、路上に放置されていました。私はうっかりそのコーンバーを踏んで乗り上げたため、転んで腕を擦りむく怪我をしました。
イタズラをした犯人は突き止められませんが、治療費を自腹で払うのは納得いきません。道具管理不十分を理由に請負工事業者に請求できませんか?
東京地裁2012/8/17交民集45巻4号971頁を微修正しました。
怪我した交通事故被害者は
「コーンバーをカラーコーンから外して路上に放置したのが第三者であっても、深夜の道路の照度はかなり暗く、そんな状況下で、第三者がコーンバーを舗道に放置したならば、舗道を走行する自転車に危害を与えることは容易に予測できるのだから、請負工事業者は第三者がイタズラなどしないよう24時間体制で監視する義務があった」と主張しました。
しかし、裁判所は、
という理由で、請負工事業者の賠償義務を否定しました。
つまり、道路利用者は、道路に想定外のモノが落ちていないかに留意しながら走行しなければならず、原則としてそのようなモノにつまづいて怪我しても、自己責任で決着されることになります。
なお、道路が完全に真っ暗だった場合、請負工事業者はライトを設定する義務があったのかまでには言及されていませんので、上記の説示の適用範囲は思いのほか狭いかもしれませんね。
※似たような事案でも、裁判官ごとに過失割合の数値が異なることは、実際の裁判でもかなり見受けられます。各事例で示された数値が絶対的数値であると誤用されないようご注意願います。
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論文集の数行の記載から裁判例を探り出して、自己の主張の根拠づけに利用したことは何度あるかわかりません。