東京海上日動の弁護士費用特約支払の内規がまた窮屈に

 東海日は、日弁連の運営する交通事故のLAC協定に加入していず、独自の弁護士費用特約の支払規程を設けています。
 ですので、東海日に加入する交通事故被害者は、弁特の利用を申し出ると、弁護士に渡してくださいと《弁護士費用等補償特約のご請求について》という書面を渡されます。

 その書面には、東海日が弁護士費用を保険金として支払う着手金・報酬金・日当の金額が明記されているのですが、同時に、いくつかの注意事項が明記されていますので、そのうち注意を払うべき事柄を列挙していきます(☆2017/4/28時点での記載です)。

※1:弁護士との委任契約の内容によっては、お客さまが負担する弁護士費用の全額を補償することができない場合があります
⇒予め東海日の社内規程に計算方法に則して算出される以上の弁護士費用は支払えないということです。これは300万円という上限を超えたか否かに関わりません。
 ※1の部分はLAC加入損保とも差はありません

※2:相手損保に損害賠償請求する内容によっては、お客さまが負担する弁護士費用の全額を補償することができない場合があります。
⇒相手損保に賠償請求する前に東海日に試算内容を連絡してね。その試算内容を東海日が承認できないときは、差額請求に要する弁護士費用は支払えないよ。
 例えば、醜状損害や脊柱圧迫骨折ではあるが逸失利益を請求したい、逸失利益算定の際の労働能力喪失期間は稼働可能期間全期間に及ぶと試算して請求したい、非典型類型事故について判例と異なる過失割合を主張したい、などと考えても、弁特社の東海日がその項目の請求を承認しないときには、その承認してもらえない部分の請求に要する弁護士費用は自己負担になるということです。
 ※2に関連してLAC加入損保は、交通事故赤本など定評ある書物の考え方を尊重する(≒定評ある書物でその試算方法を肯定することが有力な見解として存在するならば、弁護士費用計算の際の試算内容の圧縮は特に求めない)運用がこれまでとられているようですが、東海日の内規はフリーハンドで承認するかしないか決定できるような書きぶりなので、弁護士費用の着手金算定の際のトラブルが起きやすい状況にあることが心配されます。

※3:弁護士を変更する場合は、お客さまが負担する弁護士費用の全額を補償することができない場合がありますので、あらかじめご承知おきください。
 ※3の部分をLAC加入損保はこれまで明記していませんでした。
 例えば、前任の弁護士Aに仕事を頼んでいたのですが、途中で信頼関係が喪失し、前任の弁護士Aを解任して後任の弁護士Bを新たに選任しようと思ったとします。
 その際、後任の弁護士Bへ支払う着手金は、既に前任の弁護士Aに支払った分を差し引いた残額しか支払えないこともあるということなのです。
 現にそのようなトラブルに巻き込まれた弁護士Bがいるという情報も入っています

 そもそも※3は、特別な理由なく弁護士を入れ替えがちな利用者が現れ、その利用者の弁特の支払額が2倍にも3倍にも増えるケースがあったことへの対策として設けられたという話も聞いています。
 しかし、これを硬直に適用すると、弁護士選びに一度失敗した利用者がリカバリーする機会が不当に損なわれる事態も生まれかねません。ごく限定的な場面に利用を限ることを望みます。