交通事故で自転車の過失を左右する主なルールは(その2)?

Question

福岡市東区の信号機のない交差点で、夜間、自転車横断帯を渡って道路を横断していたところ、右側の車道から交差点に左折しようとした自動車が、私の自転車に気づかずにぶつかられました。

 小雨が降っており、左手で暗めの色の傘を持ちながら自転車を運転していたので、ぶつかられた瞬間、崩したバランスをうまく立て直せず、強く地面に叩きつけられる格好になり、左手首を捻挫しました。

 相手損保から「自転車の片手運転は法律違反なので、その分を不利に修正した過失割合になります。」と言われました。

ただ、雨の日の片手運転は多くの人がやっていますので、法律違反と言われてもピンときません。法律で禁止されている自転車の通行手段とはどういうものがあるのですか?

Answer 自転車はエンジンがついていず免許制でなく子供から大人まで誰でも乗れる簡易な移動手段なのですが、法律上は軽車両としていくつかの規制が設けられています。

 

第1、13歳未満の子供の保護者は、自転車を運転する子供にヘルメットを着用させるよう努める義務が課されています(道交法63条の11)。

 あくまで努力義務ですので、子供がヘルメットを被らずに自転車を運転していても保護者や子供に刑事罰が科されることはありませんけれども、13歳未満の子供がヘルメットを被らずに自転車を運転しているときに頭部を怪我してしまうと、ヘルメットがあれば軽いけがで済んだかもしれないと過失相殺の主張を相手損保からされる可能性があります。

第2、原則として2人乗りが禁止されているのは有名ですね(道交法57条1項本文)。夜間に自転車を無灯火で走行するのもダメです(道交法52条)。
  そのほか自転車は並走も(道交法19条)酒気帯び運転も(道交法65条1項)禁止されています。


第3、それと2015年6月1日から道交法が改正され、次の14行為を交通の危険を生じさせる違反行為と明示し、その違反を繰り返す自転車の運転者に対する講習受講を命じられるようになりました(道交法108条の3の4、道交法施行令41条の3)。

    <信号無視><通行禁止違反><歩行者用道路徐行違反><通行区分違反><路側帯通行時の歩行者通行妨害><遮断踏切立ち入り><交差点安全進行義務違反><交差点優先車両妨害><環状交差点の安全進行義務違反><指定場所一時不停止><歩道通行時の通行方法違反><ブレーキ不良自転車の運転><酒酔い運転>
    そして14番めが【安全運転義務違反】

 この【安全運転義務違反】という包括的な表現の中に、各県の条例で禁止している(福岡の場合には福岡県道路交通法施行細則14条)自転車の運転方法が含まれると解されています。

①自転車用ベルを備えないでの走行
②傘さしや物を担ぎながらの運転
③携帯電話を通話・操作・注視しながらの運転
④イヤホンを装着しながらの運転

  実際にも、右手で傘を差しながら左手だけで自転車を運転していた被害者について、そのような不安定な姿勢で自転車を運転していたことが傷害を拡大させる要因になったと指摘して被害者に過失相殺を講じた大阪地裁1998/1/23交民集31巻1号57頁もあります。

  自転車を運転する際には、交通ルールをしっかり理解したうえで、周りの自動車や歩行者に注意することが肝要です。

  自転車の人身事故に遭遇した被害者は、豊富な経験を誇る交通事故に強い福岡の菅藤弁護士の無料相談をお気軽にご利用し、ぜひともご依頼ください。