せっかく交通事故で獲得した後遺障害をSNS書き込みで自らフイに

せっかく交通事故で獲得した後遺障害をSNS書き込みで自らフイに

    こんなドラマみたいな訴訟展開もあるんだと思わせた横浜地裁2014/10/16自保ジ1935号68頁を紹介します。

   2011/9/10交通事故発生→2012/7/31症状固定
~頸椎捻挫で後遺障害14級9号認定、ここまでの展開はごくノーマルです。

交通事故の被害者は後遺障害が認定されたのだからと、既払い額250万円(被害者請求で獲得した75万円を含んでいます)のほかに、1000万円を相手損保は支払うべきだと提訴しました。

ところが、裁判所は「自賠責の後遺障害認定は間違っている、被害者には実は後遺障害なんか残っていない。症状固定日も間違ってる、被害者は2011年12月にはとっくに症状固定に至っている。」と認定し、被害者が受け取れるはずの損害は既払い額の250万円で全て填補済みと、被害者の請求を全面棄却したのです。

問題は請求を棄却した理由、被害者はSNSに自ら交通事故に遭遇した後も元気いっぱいに日々の生活をエンジョイしていたエピソードを、2011/9/23~2013/8/26にかけて書き込んでいたからだったのです。
その内容は次のとおり。

・2011/9/23 バドミントンの練習に参加
・2011/11/19 バドミントン大会で3試合に出場し準々決勝まで勝ち残った
・2012/1/15 1時間10分かけてジョギング
・2012/5/14 不動産業者が開催する恒例のボーリング大会に出場
・2012/7/15 バドミントン大会のダブルスに3~4試合出場し3位ゲット
・2012/10/11 子供の運動会で綱引きした
・2013/1/20 ダイエットのため継続的に5~15kmをジョギングするようにした
・2013/2/13 バドミントンの練習場所まで13kmを走って帰る
・2013/3/10 10kmのロードレースに出場し、45分45秒のタイムで15位に
・2013/8/26 富士山に登った

このSNS書き込みを証拠として見せられた被害者の弁護士はビックリたまげて真っ青になったことでしょう。
頭隠して尻隠さずと言いますが、自賠責への後遺障害獲得のための提出資料は完ぺきだったのかもしれないが、被害者自らあげ足をとられる材料をネットに無邪気に残しまくったことが墓穴を掘ったのですから。

twitterから簡単に炎上するなどネットリテラシーの低さゆえの事件がしばしばニュース報道されますけれども、いまや交通事故における間接事実の立証手段としてSNSが利用される時代になったようです。見つけた被告代理人があっぱれ、受任時にSNSの存在に気づかなかった原告代理人は無念と言った所でしょうか。


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