菅藤浩三ブログ
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整骨院は、診療時間の融通が利く、マッサージもしてくれる(病院は薬の処方だけ)、待ち時間も短いという理由で、病院には通わず整骨院にばかり通う交通事故被害者も珍しくありません。
しかし、余り知られていないのですが、病院の医療費に比べて、示談交渉や裁判の場面で、整骨院にかかった施術費を全額支払ってもらえないことはよくあるのです。交通事故Q&A「整骨院での治療費は全額賠償対象になる?」の中でそういう裁判例があることは紹介していますのであわせてご覧ください。
整骨院のみに通うことの一番の問題は、整骨院では等級認定を受けるための後遺障害診断書が書けないことです。
ですから、整骨院のみに通っているときは、痛みが取れないで残ったとしても、後遺障害の等級認定を受ける手続自体ができません。
「だったら、整骨院に通い続けたけど痛みがとれないので最後の最後に後遺障害診断書だけ医師に書いてもらおう」 と思う人もいるでしょう。
でも、そういう対策を講じようとも、治療経過を満足に観察していない医師が1回だけ診察して書いた後遺障害診断書にどれだけの証明力があるかと問われたら、書いた医師自身もそう高くないといわざるをえないのではないでしょうか。
後遺障害の有無を認定する自賠責調査事務所も同じ考え方をするでしょう。
ですから、整骨院で施術を受ける際には、必ず並行して病院にも定期的に続けて通っていただくことを勧めています。
最近は、整骨院に頻繁に通うものの、整形外科には月1~2回の頻度でアリバイつくりのような格好で通っているケースでは、たとえ症状が残っていても後遺障害の存在を否定することが非常に多くなりました。
その実情を踏まえますと、整骨院での施術を中核にされていた場合には、整骨院での施術で無事に完治した場合はまだしも、完治できなかったとしても、病院だけに適正な頻度で通っていた場合と比べ、後遺障害の認定を諦めざるを得ない可能性が高いです。
整骨院と病院を併用する場合、特に書式はありませんが、医師による施術指示書や施術同意書まで取り付けることができれば、整骨院で施術を受けること自体を医学的に正当化する書類アリということができますので、安心です。
そのほか、整骨院は部位ごとに施術費がかかるため、本当は3部位の痛みに対して施術を受けているのに、料金を安くあげるために実際には3部位施術しながらも1部位しか痛みが残っていない施術録にするということも時々見られます。
「料金が安上がりだからいいんじゃない?」、ところがその施術録からは実際には3部位痛みが存在していても、1部位しか痛みが存在しないかのように第三者からは評価されてしまうのです。
このように実態を過小評価させてしまう問題ある施術録があらわれることがあるのが整骨院での施術の短所ともいえます。
最近の傾向からは、治療方針に整骨院での施術を中核に据えることは、人身被害を専門的に取り扱う弁護士として、後遺症が適切に認定されないリスクを被害者自ら招き入れるも同然で、とてもお勧めできるものではありません。
交通事故(人身被害)に遭われてお困りのときは、お気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。