交通事故Q&A
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名古屋地判2016/10/21交民集49巻5号1236頁の事案です。
裁判所は「Yは、Xが運転席のドアノブを掴み続けている状況を知っていたのだから、直ちに停車すべきだったにもかかわらず、Xがすぐに手を放すだろうと安易に思い込んで停車せず並走しつづけたのであるから、その過失はXより重い」と言いつつも、同時に、「Xにも、発進しようとするクルマのドアノブを掴み、発進後もつかみ続けてクルマと並走している点に相殺される過失がある」と説示し、その過失割合をY8:X2としました。
感覚的には、Yの行動はXが怪我するリスクをあえて是認する未必の故意にあたるほど危険なものでXに過失を問うたことに疑問無しもしないのですが、おそらくXが掴んだ右手をドアノブから離すことは造作もない行動だったのに、その造作もないリリースをしなかったことを2割相当の過失とみたのでしょう。
クルマを停めたいと思っても自分が怪我するリスクを抱える方法を使っては怪我した際に一定の自己責任を課せられるということなんです。
※似たような事案でも、裁判官ごとに過失割合の数値が異なることは、実際の裁判でもかなり見受けられます。各事例で示された数値が絶対的数値であると誤用されないようにご注意願います。