高次脳機能障害・遷延性意識障害
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高次脳機能障害・遷延性意識障害
高次脳機能障害で自賠責で後遺障害ありと認定してもらうためには、どのような機材で画像所見アリと裏づけられる必要がありますか?
脳外傷による高次脳機能障害にあたると自賠責で認定されるために、器質的病変が脳に生じていることを裏づける画像所見のあることが重視されます。 画像所見の有無で非器質性精神障害と峻別するためです。
まず、受傷直後にCTで継時的に撮影された画像に、脳出血(くも膜下血腫、硬膜下出血などの存在とその量の増大)像や脳挫傷痕が確認できるときは、脳外傷の存在を裏づけていることになります。
また、受傷後2~3日以内に、MRI(T1強調、T2強調、プロトン強調、FLAIR、拡散強調など)を撮影できれば、CTで分かりにくい微細な白質の病変を鋭敏に抽出できるので、脳外傷の存在を裏づけることができると言われています。
上記2つは脳の損傷部位が特定された巣(そう)症状に対する画像所見です。
他方、一定時間の意識障害を呈していながらも、CTやMRIで異常所見が確認できない、びまん性軸索損傷(DAI)によって高次脳機能障害が発生することもあります。
びまん性軸索損傷とは、強い外力で脳に回転力が生じたとき、脳深部が脳表部よりも遅れて回転することで発生します。
回転で脳がねじれた結果、軸索が強く引っ張られ神経コードが広範囲で断線し、大脳の形態的病巣が明確でないにもかかわらず脳機能に異常を来たすという受傷形態です。
びまん性軸索損傷の特徴は、巣(そう)症状と異なり、大脳白質部内部に張り巡らされた神経コードそのものが、現代の画像技術では撮影できないため、神経コードが広範に断裂されている状態もまた直接、画像に映らない点にあります。
そこで、頭部に衝撃を受けた交通事故発生からある程度期間が経過した時点で、脳をCTやMRIで撮影した際に、異常な脳室の拡大や脳全体の萎縮がその画像で確認できた場合には、神経コードの広範囲な断線すなわち軸索の組織損傷を疑うことが合理的であると推測し、たとえ局部の出血の痕跡が乏しくとも、びまん性軸索損傷の発症を画像所見で確認できたという判断がなされています。
そのほか、事故直後や期間経過後のCTやMRIの撮影画像で全く異常が見当たらなくても、PET(人体に投与された陽電子放出アイソトープの分布状況を断層画像化する検査)やSPECT(人体に投与された放射性同位元素RIの分布状況を断層画面で見る検査)といった、脳内の豊富な血流や代謝に着目して、その血流量や放射性物質の代謝量の大小を測定して、虚血領域など脳内活動の活発な部分と不活発な部分を画像化させ、脳の異常を抽出できるのでは、という取り組みが一部でなされています。
しかし、残念ながら、少なくとも自賠責保険実務では、MRIとCTによる異常所見によって、脳の器質的病変の有無を判断する取り扱いが継続しているため、PETやSPECTだけでは、自賠責の高次脳機能障害の認定を受けるに足りる、十分な画像所見には該当しないとの趨勢が占めているようです。 とはいえ、今後の脳医学の進歩によって、今後、変更があるかもしれません。
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