後遺障害、異議申立が却下されたらもう裁判しかない?

Question

交通事故に遭い、首や腰の痛みが続くので、後遺障害診断書を書いてもらい、事前認定を申請したところ、後遺障害非該当の通知が来ました。
納得できず損害保険料率算出機構に異議申立を出しましたが、それも斥けられました。もう裁判しか残っていないのでしょうか?

Answer

昔はそうでした、昔といっても平成13年までの話です。
平成14年に、一般社団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構なる第三者機関の設立が認可されました。
この第三者機関は、平成14年に改正された自賠法に基づき、自賠責保険金・共済金の支払で、被害者や保険・共済の加入者と、自賠責保険会社・共済組合との間で生じた紛争の、公正かつ的確な解決を図ることを目的としています。

この第三者機関の受け持つ事業の1つが、自賠責保険・共済からの通知に不服があり、紛争処理を希望する被害者等からの申請に基づき、専門知識を持った紛争処理委員(弁護士・医師・学識経験者で構成)が、公正中立な立場で行う審査です。

あくまで、自賠責保険・共済からの通知に対する不服申立ですから、任意保険からの過失割合の提示や賠償金額査定に対する不服申立を扱う機関ではないことは、誤解しないで下さい。

審査開始を申し立てられる場面は主に次の3つです。例えば、Qのケースでの手続の進み方のイメージ図を最下部に案内しておきます(同機構ウェブサイトに、同じ図が掲載されています)。

1、自賠責保険・共済組合が示した過失責任の有無や減額に関して納得できない場合
2、自賠責保険・共済組合が示した後遺障害の有無や程度に関して納得できない場合
3、自賠責保険・共済組合が示した、交通事故と死亡・傷害・後遺障害といった結果との因果関係の判断に関して納得できない場合

申請を受理してもらうにあたっての費用は無料です。また、審査期間は最低でも3か月はかかると言われています。
この審査は全て書面審理で行われますので、申請者が出席する必要はなく、不明な点は文書や電話で申請者に確認する運用がとられています。
他方、相手当事者との間で民事調停や民事訴訟に継続中であるときや、ほかの紛争処理機関に解決を申し出ているときには、同機構を利用できません。

なお、同機構の審査により結果が変更された割合は1割を超えるかどうかの水準ですので、同機構の利用に手慣れた交通事故専門家にとっても決してよい結果獲得を保障できる数値ではありません。
異議申立を頻繁に通しているかのようなウェブサイトをよく目にしますけれども、全体の数字にならせば誇大広告ではないかと疑問に思う節も、交通事故を多く取り扱う弁護士として感じなくはありません。

また、この申請は1回限りしか利用できず再申請はできませんので、できる限りの万全の策を講じて利用する必要があります。

同機構で出された審査結果の通知になお不満があるときは、もはや裁判手続による解決しか残されていませんけれども、裁判所においてもどのような審査結果が出ているかは、司法判断を下す際に大いなる関心を払われるでしょうから。

交通事故(人身被害)に遭われてお困りのときは、お気軽に、豊富な解決実績を誇る、福岡の弁護士、菅藤浩三(かんとうこうぞう)にご相談ください。

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