交通事故コラム

自転車横断隊付近での車両追い越しは禁止されています

  • 更新日:2025.5.11
  • 投稿日:2025.5.11

自転車横断帯は、自転車が安全に道路を横断するために設けられたものです。自転車横断帯がある道路では、自転車は必ず自転車横断帯を横断しなければならず、自転車横断帯を横断中の自転車がいる場合、自動車等はその走行を妨げてはならないと定められています。

ところが、自転車横断帯の数は年々減ってきており、横断歩道の補修の際に自転車横断帯が消され横断歩道の幅が広くなるケースがよく見られます。このような改修が行われているのは、現在の交通事情に合わせていると言われています。

本来、自転車は車道左側を走行しなければならないと定められていますが、以前は自転車の交通ルールがあまり遵守されておらず、車道左側ではなく歩道を走行する自転車も多く見られました。当時、自転車は歩行者と同じように歩道を走行し、そのまま自転車横断帯を横断していました。しかし近年、車道左側に自転車レーンが設置された道路も増え、自転車の交通ルールも広く知られるようになり、車道左側を走行する自転車が増えてきました。

自転車が車道左側を走行している時であっても、自転車横断帯があると必ず自転車横断帯を横断しなければならないと定められているため、車道左側を走行している自転車はそのまま直進するのではなく車道から自転車横断帯に移動してまた車道に戻るルートで走行しなければならず、道交法を守って車道左側を走行する自転車にとっては余計な移動が強いられ、歩道を通行する歩行者としても自転車横断帯付近で自転車と接触する危険性が高いなど、現在の交通事情では様々な不都合があることから、自転車横断帯は姿を消していっています。

勿論まだ自転車通行帯が設置されている箇所はありますが、減少していることもあり、車道を走行する自転車も自転車横断帯がある場所では自転車横断帯を走行しなければならない、そして自転車横断帯を横断している自転車の交通を妨げてはならないということを理解していない人もいるようです。自動車はたとえ優先道路を走行していても、自転車横断帯を自転車が横断している場合は手前で停止しなければなりません。

また、道路交通法では、自転車横断帯とその手前30メートル以内での車両の追い越しは禁止されています。なぜなら、ここでの追い越しは、自転車や歩行者の安全を著しく脅かすからです。たとえ加害者が優先道路を走行していたとしても、その優先権が自転車の安全を侵害してよい理由にはなりません。手前30メートルでの追い越し行為そのものが違反行為であり、それによって自転車横断帯を走行中の被害者に接触した場合、加害者側に重大な過失があるとされます。

「自転車横断帯とその30メートル以内と言うけれども、信号機が無い道路の場合、自転車横断帯を目視できる位置まで近寄らないと自転車横断帯があるかどうか分からない」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自転車横断帯は基本的に横断歩道に隣接して設置されており、信号機が設置されていない横断歩道の場合、横断歩道の50メートル手前と30メートル手前にひし形のマークが描かれています。しかし、道路に描かれた道路標識は経年劣化等で薄くなっていることもありますので、日頃から視野を広く保つことを意識して運転するのが大切です。

しかし、自転車も以前に比べてスピードの出るものが増えてきていますので、周囲の安全を確認した上で、制動ができる速度で走行する必要があります。自転車で走行していて、自転車横断帯付近付近で追い越しをする自動車と交通事故に遭った場合、相手の自動車が「周囲を確認していたが、自転車がいきなり飛び出してきた」「自転車の速度が速すぎて、むしろ自転車の方が自動車に衝突してきた」等と主張してくる可能性もあります。相手の自動車にドライブレコーダーが付いていた場合でも、前方しか撮影していない自動車も多く、自転車がどの位置にいたかしっかりと記録されていないケースも少なくありません。また、記録されていたとしても、相手がドライブレコーダーを開示してくれるか、開示した後にしっかりと自動車と自転車の位置関係や速度を算定してくれるのか分かりません。事故態様をめぐって争いになることがありますので、不安に思う時は事故直後の段階から弁護士に相談することをおすすめしております。

被害者と交渉を行う自動車保険の担当者は交通事故の交渉のプロですから、損害賠償金額や交通事故の過失割合などで主張が食い違った時には、上手く反論ができず自動車保険の担当者に話を進められてしまい、担当者の意見を飲まざるをえなくなり後悔するケースも多いです。

保険会社との交渉に不安がある方は早いうちから交通事故の案件に強い弁護士に相談・依頼することをお勧めします。早い段階から弁護士を入れることで、交通事故についての交渉を弁護士に任せ、被害者は安心して治療に専念することができます。弁護士費用特約が付いた保険に加入していれば、弁護士費用を手出しすることなく弁護士に相談することができます。

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