コンビニの防犯ビデオで相手の赤信号無視を立証した裁判例

コンビニの防犯ビデオで相手の赤信号無視を立証した裁判例

   名古屋簡裁2014/12/1最高裁ウェブサイトを紹介します。南から北に進む被告バイクと、東から西に進む原告バイクの、夜明け前の時刻の、交差点での出合い頭衝突による物損事故です。双方とも相手の赤信号進入を主張しています
   ですから、赤信号無視=相手の過失の立証に成功しなければ、民法709条の立証責任の原理から、原告の物損請求は棄却されます。

   目撃者のいない時間帯の交通事故で、原告が被告バイクの赤信号無視を立証する為に活用した証拠が、交差点の北東角にあるコンビニの防犯ビデオです。
  コンビニの防犯ビデオには、車両用信号そのものは映っていませんでした。
が、事故が発生した瞬間の衝撃音が録音され、そして、衝撃音の数秒前に、南から北に移動する被告バイクのライトが映し出されていました。
加えて、事故が発生した瞬間の5秒後に、被告が進行していた南北方向の歩行者用信号が赤色から青色に替わった状況が映し出されていました。

警察から取り寄せた歩行者用信号と車両用信号の信号サイクルと照合して、衝撃音が確認できた瞬間の少し前の時間帯には、被告バイクが交差点内に進入した際の南北方向は赤信号であり、原告バイクが交差点内に進入した際には青信号から黄信号に替わる寸前だったので、東西方向はギリギリ青信号だったと認定させることに成功したのです。

ちなみに、原告が被告に請求した車両損害は10万2000円です。弁護士費用特約のタイムチャージ利用ができなければ、この事件を引き受ける弁護士はほとんど見つからないといっても過言ではないでしょう。

なによりコンビニの防犯ビデオの証拠確保に成功していた点はまことに僥倖というか、電光石火に動いたことによる成果というほかありません
おそらく、原告自ら事故直後にすぐにコンビニに働きかけて動画を撮影させてもらったのではないかと。物損事故の場合、警察はそこまで動いてくれないのが普通ですから。

私も目撃者のいない交通事故で、事故現場近くのコンビニの防犯ビデオの入手を試みたことはあるのですが、とにかくあっという間に上書きされて消されてしまいます。社内ルールでわずか1日しか残していないこともありました。
もともとコンビニの防犯ビデオは自社店舗の防犯のために設置しているので、犯罪事件に巻き込まれない時間帯の分を長期間保管しておく必要がないので、保管期間が非常に短いのです。
ほぞをかんだことは1度や2度ではありません。交通事故が起きてすぐに弁護士が就くのは稀なので、いざ交通事故の態様でもめて、弁護士が就いた時点では既に証拠は消え失せてしまっているのです。
ですから、目撃者を確保できていない交通事故の場合、事故現場にコンビニなど防犯ビデオを設置している施設があるときは、事故当日にすぐにその施設にかけあって(翌日ではもう消されていることも珍しくない)、上書きして消される前の画像をスマホ録画させてもらうことを試みる価値はあります。

しかし、それは証拠の確保をあくまで他人任せにすることであって、歩行者や自転車はやむを得ませんが、クルマを運転する場合には事故の瞬間の画像を消えない形で保管できる自己防衛で用意できる最大の武器がドライブレコーダーをぜひ導入しておくべきです。
お互いが赤信号無視を主張するなど、真相が藪の中になってしまうことは実は珍しくありませんから、自分の身は自分で守る気構えが大事でしょう。


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