自賠責保険の期限切れにご注意

   自賠責保険(もしくは共済)に加入していないクルマで、公道を走行することは許されていません(自賠法5条)。任意保険と区別して自賠責保険が強制保険と呼ばれる所以です

自賠責保険に加入しないままで、公道を走行した場合には刑事罰を科せられます(自賠法86条の3)。この刑事罰は、自賠責保険の期限切れであっても、適用されます。

    任意保険の場合には、任意保険の期限が到来する前に、「任意保険の期限が近づいてますよ。更新しませんか?」という案内がメールや郵便で届くことが普通なのですが、自賠責保険の場合には期限切れが近いことを損保会社から知らせてくれるサービスはありません。

    ただ、普通車両や排気量250cc以上のバイクの場合には車検制度が用意されていて、自賠責保険を付保していることが確認できないと車検を通過しませんので自賠責だけ未加入ということは余りないのですが、逆に原付バイクや排気量250㏄以下のバイクには車検制度がないため、自分自身が気づいて自賠責保険の更新手続を自発的にとっていかないと、ウッカリ期限切れという事態になることが結構あるのです

   任意保険には加入していたけれども、自賠責保険は期限切れだったときに、人身事故を起こしたときは、どういうことになるのでしょうか?

被害者に対する損害賠償額のうち、自賠責保険が有効だったならば自賠責保険から払われたであろう部分に相当する金額については、任意保険では填補されず自己負担しなければならなくのです。
それゆえ任意保険は自賠責保険の上乗せ保険と呼ばれているのです。

例えば、被害者に怪我を負わせて後遺症は幸い残らなかったけれども、慰謝料や休業損害で総額150万円の損害を負わせたとしましょう。
自賠責保険の枠は120万円ですので、差額30万円は任意保険でカバーされるのですが、120万円の枠はまるまる加害者の自己負担となってしまうのです。

   そして、任意保険の損保会社には、更新のたびに契約者が自賠責保険に加入しているかどうかの注意喚起を促したり、自らチェックしなければならない契約締結上の付随義務まではないと考えられています(大阪地裁2012/2/29自保ジ1878号159頁)。

要するに、自賠責保険の期限が切れているかいないかのチェックは、専ら所有者が自己責任で行うべきだし、それを怠った場合のペナルティもまるまる所有者にかかってくるという扱いになっているのです。
自賠責保険の期限切れ、意識しておかないと忘れがちです(特に原付バイク)。くれぐれもご留意ください。