後遺症の被害者請求の際に費やした諸経費は賠償請求できる?

Question

 福岡県糸島市に住んでいる主婦です。横断歩道を歩いているときに右側からクルマに衝突され、右足すねの脛骨高原骨折を負いました。
 あいにくクルマが任意保険未加入だったので、健康保険を使って半年間保存治療を続けたのですが、右足すねに常時疼痛が残り、クルマの自賠責に被害者請求をしたのですが、予期に反し、非該当認定を受けました。
 非該当認定に納得できないので、弁護士を依頼し、病院から追加意見書を取り寄せて異議申立をしたら、非転位型だということで12級には至らなかったのですが、局部に神経症状アリということで14級を獲得することができました。
 これからクルマが任意保険未加入だったので、私が加入している任意保険の無保険車傷害保険に補償請求していきます。
 後遺症申請にあたり、後遺障害診断書発行費用のほか、被害者請求の際に添付する印鑑証明書発行費用・調査事務所から提出を求められた病院の画像CD取得費用・異議申立のための追加意見書作成費用の諸経費を費やしたのですが、これらは請求できる品目に該当するのでしょうか?

Answer 

 自賠社で後遺症が認定された場合、後遺障害診断書発行費用を賠償対象に含めることに相手損保が争うことは普通ないのですが、それ以外の諸経費を賠償対象から除外する回答されることが珍しくありません。
 印鑑証明書発行費用は賠償対象に含めるという裁判例があります(東京地判2006/2/6交民集39巻1号125頁)。
 調査事務所から提出を求められた画像CD取得費用は賠償対象に含めるという裁判例があります(東京地判1982/8/23交民集5巻4号1103頁)。
 これに対し、異議申立のための追加意見書作成費用についての直接の裁判例は見当たりません。
 とはいえ、後遺障害の立証のための鑑定料や検査料を賠償対象に含めた横浜地判1993/9/2交民集26巻5号1151頁があります。
 考えてみると、後遺障害が存在することは、後遺障害診断書単独でなく、追加意見書が相まって立証されたといえるわけです。そして、後遺障害の存在の立証に成功しなければ後遺症慰謝料や逸失利益という損害項目を請求することはできません。
 と考えると、追加意見書は、後遺障害に関する損害を請求するためには、異議申立前に作成された後遺障害診断書と一体のものとして必要不可欠な資料ということができ、その作成費用は賠償対象に含めると考えてよいのではないでしょうか。