交通事故で自賠責保険の仮渡金を使いたいのですが?

Question

 福岡県築上郡築上町で家の仕事を手伝っていますが、定期的な給料はもらっていませんし、税金の申告もされていません。信号機のない十字路交差点で、優先道路をクルマで通っているときに、交差道路の左側から出合い頭衝突の交通事故にあいました。

   私は首と腰がむち打ちの症状になり、入院無しで病院に通っています。身体の具合が悪いので全く仕事できません。相手損保からは治療費だけは直接病院に支払ってもらう一括対応してもらえているものの、私の過失もそれなりにあり、そして、給料に関する公的な証明がないということで、全く内払をしてもらえていません。

 自賠責保険に、示談まで待たずとも内払を請求できる、仮渡金という制度があると聞きました。その制度を使う場合に何かデメリットはありますか

 

Answer
治療途中や損害賠償の交渉途中で相手損保に休業損害や通院交通費などを支払ってもらうことを内払といいます。
ただ、内払の請求権というもの、相手損保の意向如何にかかわらず被害者が強制的に行使できる法的権利とまでは確立していません

  つまり、被害者からの内払の申し入れに相手損保が応じる場合はともかく、相手損保が応じない場合には被害者が相手損保に内払を実行させる法的手段は、裁判所に命令を出してもらう仮払仮処分を除いて、ありません。

 そこで、自賠責は、被害者救済のために、示談成立まで待たずとも当座の資金として内払を請求できる仮渡金という制度を用意しました。

 自賠責のこの仮渡金の制度は1回だけしか利用できません。仮渡金で自賠責から支払える金額は定額で設定されています

1、被害者の死亡⇒遺族に290万円

2、脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる場合、上腕又は前腕骨折で合併症を有する場合、大腿又は下腿の骨折、内臓破裂で腹膜炎を起こした場合、14日以上入院する傷害で30日以上の治療を必要とする場合⇒40万円

3、脊柱の骨折、上腕又は前腕の骨折、内臓破裂、入院を要する傷害で30日以上の治療を必要とする場合、14日以上の入院を必要とする場合⇒20万円

4、11日以上の治療を必要とする場合⇒5万円。

 ですから、入院無しの場合には5万円の仮渡金を自賠責に請求できます。

 ただ、相手損保が一括対応している場合、仮渡金制度を利用すると、一括払いのメリットも無くなることを覚悟する必要があります

 仮渡金制度を利用する際は、いったん相手損保が行っている一括対応が解除されます。そして、仮渡金制度を利用した後に、相手損保に一括対応を再開するための手続をとってもらう必要があるのです。

 すると、一括対応が無い一定期間については、病院の治療費が相手損保からは支払われず、その間の治療費は自己負担せざるを得ない状況が生まれます。これは一括対応で治療を受けている場面において被害者にとって無視できないデメリットといえます。
仮渡金制度が現実にはほとんど使われないのもこのためです。

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