右折専用車線に入った後、直進車線から割込されたときの過失割合は?

Question

福岡県糟屋郡久山町で、片側2車線の車道を走行中、交差点の30m手前から直進車線2本と右折専用車線の3本に分かれたので、交差点で右折しようとしていた私のクルマ(被害車両)はゼブラマークの導流帯に沿って一番右端の右折専用車線に入りました。
すると、第2車線で私の2台前方にいた相手のクルマ(加害車両)が、右に曲がることをふと思いついたのか、右ウィンカーも出さずに突然右折専用車線に進入してきたため、私のクルマと接触する交通事故が起きました。
幸い、私も相手も怪我はなかったのですが、相手の加入する損保会社は「私に前方注視義務があるので、0:100ではない」と言ってきました。私に過失はないのではないでしょうか。

Answer

東京地裁2001/1/29交民集34巻1号98頁で似たような交通事故がとりあげられています。
被害車両は、交差点の手前で右折専用車線に進入し前進していたところ、その左の直進車線にいた加害車両が、前方が渋滞していたので、いったん右折して渋滞を回避しようと考え、右後方を確認せずに交差点の直前で右ウィンカーも出さずいきなり右折専用車線に進入してきたため被害車両に接触したという交通事故でした。

裁判所は、交差点直前の場所で、進路変更の合図もなしで、いきなり右折専用車線上に進入してきた加害車両との衝突を、右折専用車線を走行した被害車両には回避するすべはなかったと、0:100の過失を認定しました。

全訂5版別冊判タ38号【153】では、後続直進車両(Qでいう被害車両)と先行する進路変更車両(Qでいう加害車両)の過失割合の基本を30:70とし、進路変更車両が合図を出さなかった場合の修正割合を-20としています。
つまり、全訂5版別冊判タ38号【153】を当てはめれば、Qのケースは10:90ということになる可能性も低くないように思われます。
もっとも、加害車両運転手が右にハンドルを切る前に全く後方を確認していなかったことをもって、さらに-10修正して、その結果、裁判例と同じく0:100という結論に達することも十分あり得るでしょう。

押さえておくべきことは、後続車両には、前方注視義務あることの帰結として、前方の別車線を走行している車両が自車線内に進路変更してくることがあり得ないわけではないと察知しながら、前進すべき義務が課されているがゆえ、基本割合が0:100ではないという点です。

※似たような事案でも、裁判官ごとに過失割合の数値が異なることは、実際の裁判でもかなり見受けられます。各事例で示された数値が絶対的数値であると誤用されないようご注意願います。

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